ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した作品が、先週末からようやく日本でも公開。土曜は初日だったこともあり、レイトで行ったにも拘わらず、ほぼ満席。
トニー・ブレアをあからさまに揶揄したプロットが話題になっていたが、
これは単なる噛ませ犬で
随所で、アメリカに対する積年の遺恨を爆発させる監督の執念がすごい。
現在78歳にして、ここまで怒れるという血の気の濃さ。
エネルギー源という意味で、これもモノを作る人間にとって
大事な才能だな、とそこにも改めて感心します。
映画自身は、主人公の内気なイギリス人記者や、寒々した風景を軸とした、
この人らしい淡々とした進行だけに、じんわりと滲みだす“黒さ”が苦い。
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