歌舞伎町で女王蜂を観る

歌舞伎町で女王蜂を観る

去年8月以来のワンマンを目撃しに、歌舞伎町へ。

最高だった。

僕はずっと女王蜂のライヴは女王蜂のものだと思っていた。
女王蜂のライヴはアヴちゃんのものだと思っていた。
しかし、今日のライヴ中、ずっと思っていたことは、このライヴにおいて主役は何なんだろう、誰なんだろうということだった。

今の女王蜂のライヴは楽曲が主役なのだ、というのが今のところの僕の結論だ。
主役が楽曲であるということは、つまりそれを受け取る側が主役だということでもある。

曲の鳴り方、響き方、響くところ、記憶に残る箇所、届いてくる温度。
これまで聴き慣れた曲なのにこんなに違うんだなあと思った。
アヴちゃんは、アヴちゃんの「何か」から生まれ、アヴちゃんの何かが刻まれた分身のような楽曲を、まさに目の前にいる誰かのために歌えるようになったのでないか。
あの歪な音の塊が優しさと愛情をもって飛び込んでくる感覚は本当に感動的だった。

そして、今日正式に発表されたアルバム『奇麗』は、大胆に言ってしまうなら、まさに「誰か」ーーつまり、すべての人が主役なのだと教えてくれる優しいアルバムである。
名作だと言っていい。
最高のポップアルバムである。
これまでと比にならないくらいの、たくさんの人に届く無限の可能性を持った愛すべき作品だ。

本当に、素晴らしいライヴだった。
アルバムについてはまた書こうと思う。
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