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    LiSA、1万5千人とメリクリーー幕張メッセ公演を観た!

    LiSA、1万5千人とメリクリーー幕張メッセ公演を観た!
    LiSAのライヴはライヴ全体に演出が効いた巨大なエンターテイメントになっている。
    それは今のシーンの王道のスタンスと言えるし、LiSAもまたその最先端のライヴをやっているとも言えるが、それにしてもすごいのは、アイディアの効いたあらゆる演出をLiSA自身の魅力が軽々超越していくことだ。
    全方位的に周到に組み立てられた2時間半の物語を、LiSA本人の身体すべてを使ったパフォーマンス、小刻みに切なく震え続けるあの声が織りなすチャームが思い切り突破していく。
    あらゆる期待のハードルを、LiSA自身のパワーでひらすら一点突破していく。
    凄まじい腕力、腕っぷし。

    徹頭徹尾、自信にみなぎる表情。
    エロさを全開にした出し惜しみのないパワー。
    喜怒哀楽の、「哀」を効かせた繊細な表現力。
    1万5千人の集中力を一心に集め、絶対に手放さない執念、ストイックさ。
    そして、ここが重要だが、2時間半、動きまくり、牽引しまくり、走りまくり、踊り歌いまくってもなお、シャープに切れまくるフィジカルの超絶的な強さ。
    要するに、出力が段違いにすごい。
    総じて大胆に言ってしまうならば、LiSAこそ、今もっとも勢いある、パーフェクトなロックヒロインだ。

    LiSAの曲は誰もがひとりであるという覚悟がベースになっている。
    それも今この時代を受け止めた彼女の一流の姿勢であると思う。
    ひとりであることのどうしようもない哀しみを歌いながら、その哀しみを、圧倒的な肉体性と、そのフィジカルが生み出す刹那の瞬間性で克服し、超えていく。
    理屈を超えたエネルギーで、孤独の哀しみを極彩色の世界観に染め上げていく。
    その電光石火の反転メカニズムがLiSAのライヴを転がしていく最強のエンジンになっている。
    LiSAのライヴは最初からポジディヴなエネルギーをもっているわけではない。
    ライヴのたびに、ひとりであることの哀しみを越えていく、その軌跡を共有するから誰もがポジティヴになれるのだと思う。

    年の瀬に圧倒的なものを見させてもらった。
    心の底から拍手を送りたい。

    12月28日、COUNTDOWN JAPAN 15/16、LiSAはCOSMO STAGEのトリを務めてくれる。
    凄まじいライヴを見せてくれるはずだ。
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