堂々たるライブだった。
曲のスケール感、一万人のオーディエンスの誰も拒むことのない開放感、スムーズに音楽を届ける演奏スキル、感情の機微を丁寧に、ストレートに伝えることができる歌の力。
そのすべてが、この日、武道館という大切な舞台で鳴らされるべくして磨かれてきたかのような説得力を持っていた。
最初から最後まで厳かな気持ちでこのステージに立っている初々しさや緊張感が途切れることもなかった。
まるで理想のような武道館ライブだった。
片岡の感情の溢れるような素晴らしいMCを聞いていて、sumikaの強さがわかったような気がした。
時代や消費のスピードを意識しながらシーンで生きていくのは大変なことだ。
sumikaはそんなどれからも逃げずにここまできたが、なによりもタフに貫いてきたのは絶対にニヒルにならない、諦めないということだったのだと思う。
リスナーからの愛を愛として受け止め、リスナーへの愛を愛として歌い続けることは簡単なことではない。
でも、結成から5年間、その姿勢を貫いてきた共同体としての結束力と空気感がまさに住処となってステージの上に現れ、ステージ上に生まれるその温かさにオーディエンスはみな救われてきたのだと思う。
そして、この真っすぐな関係性こそが、ほかのどこにもない、sumikaだけの温かさであり、強さだ。
今、優れたポップミュージックのひとつのあり方はここにあると思う。
これからもsumikaらしく、無二の笑顔に溢れたライブを作っていってほしい。
JAPANはこの武道館に密着し、別冊特集を作らせてもらいます。
とてもいいものにできる自信があります。
期待してください。
sumikaの素晴らしい武道館ライブを観て感じた、sumikaだけの強さ
2018.06.30 20:01