圧倒的なクオリティの楽曲によって完璧なコミュニケーションが行われ、そして静かに確実に豊かにエンターテインされていく。
そのメロディとその声を聴いているだけで、深く癒され、感情の輪郭がクリアになっていくことがわかる。
あいみょんの音楽を聴いていると、今日々を生きている実感において、どこか狂ってしまった価値観や、手グセで捌きたくなるような面倒な感情、向き合いたくない劣等感、そういった歪なものが歪なまま自分の中に存在してしまう時のブレっぱなしの針を、すっと真ん中に整えてくれるような感覚がある。
今日のライブはすごいし、素晴らしかったし、楽しかったが、もう少し正確な言葉があるような気もする。
重要なメッセージだけが最適な速度で一気に共有されていくというか、やりすぎることも足りないこともなく、ただ必要なものだけが鮮やかに共有されていくことの気持ちよさと一体感。
そういう魅力とパワーを、あいみょんの曲と歌は持っているのだなとあらためて思う。
爆発的に盛り上げるわけでも、涙にくれさせるわけでも、一緒に大合唱をすることもないが、そのすべてを足してもまったく足りないほどの大きな
感動を覚えるライブだった。
贅沢な時間だった。