ナオト・インティライミ@横浜アリーナを観て思ったこと

ナオト・インティライミ@横浜アリーナを観て思ったこと

どこまでも行き届いたエンターテインメント精神によるとてつもなく楽しいステージ。
だが、これまで自分が観てきたいかなるポップミュージシャンのライヴとも違う、独特な空気感のあるエンターテインメントだと思った。

ダンサーとのダンスや、得意のサッカーをアイデアにした演出や、観客を巻き込んで行くテンション、突き抜けたキャラクターなど、楽しさの要素を挙げればそれはもうキリがない。
ただ、その行き届いたエンターテインメントにエゴが見えないということにまず感動した。
というか、それをみじんも見せないすごさと言った方がいいかもしれない。
優れたポップミュージシャンのライヴには、エンターテインメントに殉じるヤバさというか、鬼気迫るなにかが感じられることが多い。
それは大衆の欲求に向き合うポップミュージシャンの性とも言えるし、ナオトのライヴにも凄まじい熱量がこめられていることはよくわかる。
しかし、そんなポップのヤバさをこちらが認識する前に、徹底的に開かれた楽曲とナオト自身の優しくてまっすぐな歌声が最短距離でダイレクトに飛び込んでくる。
気付くとその刺激と心地よさにすっかり酔いしれている自分がいる。
ぼくが思ったのは、ポップミュージシャンとしての性を、エンターテイナーとしての信念が超えていくという構図だった。
だから、絶対的に楽しいナオトのライヴは実はすごくスリリングだ。
なんだ大げさだな、ただ素直に楽しめばいいじゃないかという声も聞こえてきそうだが、こんなことを思わざるを得ないくらい、芯の通ったカッコいいライヴだったということで許してもらいたい。

ダンサーをただ従えるのではなく、自らひとりのダンサーとして踊りまくり、煽りまくり、歌いまくるナオトの姿を観て、エンターテインメントのひとつのすごみに触れた思いでいっぱいだ。
年末、さいたまスーパーアリーナでの追加公演2daysも発表された。
行ける人が羨ましい。
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