SCANDALのライヴを観ていると不思議な気分になることがある。
老若男女に広く開かれたエンターテインメントでありつつ、ステージに立つ4人の佇まいは実にストイックで、どちらの印象を持ち帰ったらいいのか、ときにわからなくなることがあるという感じ。
それはつまり、徐々に徐々にスタンダードなロックバンドへと成長してきた彼女たちの軌跡ゆえに起こりえることで、逆に言うと、その振れ幅を楽しむのがSCANDALのライヴの醍醐味だと、個人的に思っているところがある。
そういう意味で、最新アルバム『STANDARD』の楽曲をいかに、新たなSCANDALのスタンダードにできるのか、というテーマに挑んでいるこのツアーはとても面白い。
突き抜けたポップソングを演奏する4人のストイックなカッコよさは、このアルバムの楽曲をプレイするときにマックスで発揮されるからだ。
バンドに新たな馬力が宿り、過去のヒット曲にもまた違う瑞々しさが感じられた。
4人が本当に充実していることがよくわかる、いいライヴだった。
ツアーファイナルは、12月3日、国際フォーラムA。ものすごく楽しみ。