星野源の武道館は、最高の星野源コンサート

星野源の武道館は、最高の星野源コンサート

間違いなく素晴らしい復活の、しかしそう大袈裟にそう書くのはなんだか違和感を覚えるような、とても親密な時間だった。
ステージ上の星野源と、アリーナや二階席、三階席にいるお客さんのひとりひとりが、まるで糸電話で繋がっているような感じがずっとしていた。
ナースを引き連れ、笑いで入るオープニングのとき、実はきっととても緊張していたのだろう固さも、大きな歓声と拍手が起こるたびに「うわあ」と驚き、そして同時にやはりどうしようもない喜びがこみ上げていることも、モノマネをしているときのちょっとした恥ずかしさも、全部ちゃんと伝わってきているような感じがしていた。
まるで自分のことのように感じる……という言葉をぼくたちは普段近しい人に対してよく使うけれど、たぶん本当はこういうときにこそそう言うべきなんだろう。
変な言い方になるけれど、今日武道館の星野源は、あの大きなステージに立ち、スポットライトを浴びながら、ちゃんとひとりひとりのそばにいた。
大成功だろう。
星野源のライヴとして、どこまでも素晴らしい大成功のライヴだったんじゃないか。

あらためて気づかされたことがたくさんあった。
星野源の歌声は素朴に聴こえるけれど、でもその一貫したトーンの中に渦巻く無数の感情が込められていること。
たとえば、星野の歌が楽しげに弾け回るとき、「おれはいま楽しい!」なんていう言葉を叫ぶよりも何倍もエモーショナルな楽しさを感じさせてくれること。
それは、悲しかったり、切なかったり、しんみりしているときもやはり同じだということ。
直接的な鼓舞も真っ正面からの告白も怒りの表明もしないけれど、でもその音楽にはそうするよりも、もっと生々しい人間くささが込められていること。
そこには、日々の悲喜こもごもをぐっと飲み込んで一歩を踏み出すためのユーモアというか、悲喜をくすりと笑ってしまうための「おかしみ」の世界が描かれていること。
いろいろなことを教えてくれた気がしたライヴだった。

2月28日発売のJAPANにロングレポートを書きます。
詳しくはそれをぜひ読んでください。

なにはともあれ、おめでとうごさいます。
最高のコンサートでした。
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