これまでのイメージを一新させる、
この新しいジャケットからもわかるように、
THE ENEMYの新作が凄まじい。
ファースト・アルバムに充満していた
勇敢でありながらどこかセンシティヴであった曲調は一転、
セカンドとなる今作では
バカでかいスケールのビッグ・ロック・スペクタクルを
展開している。
やせっぽちの少年が一夜にして屈強な闘士へでも
変貌したかのようなこの展開は、しかし、
ブリティッシュ・ロックが要求する必然的進化でもある。
正統なるブリティッシュ・ロックは、
物語を歌にし、音にしてきたロックである。
身の回りの小さな出来事から、
やがて世界の果てで起きる歴史的事件を語ってしまうような、
ダイナミズムの音楽である。
そうした意味でいうなら、
2009年現在、ブリティッシュ・ロックのもっとも正統な
系譜にいるTHE ENEMYが、
その物語を語る語り口がより大きく、より雄雄しく
変化を遂げていくのはひとつの道理なのだ。
ファーストの成功が彼らにもたらした、
世界の果てまで続くように伸びたオーディエンスの光景。
その光景をすべて包み込むために、
このセカンドは企図されたのだと思う。
そのタイトルはずばり、
「MUSIC FOR THE PEOPLE」。