オアシスを撮った写真家が選ぶ、ロック・フォトの決定的21枚

オアシスを撮った写真家が選ぶ、ロック・フォトの決定的21枚

オアシスの写真といって、たぶん誰もが思い出すのが、群集を前にノエルが両手を広げているモノクロのショットだろう。地元マンチェスターに凱旋したオアシスの、その全能感をそのまま表現したこの写真が、バンドの何たるかをどんなテキストよりも簡潔に言い表していた。

それを撮ったのが、ジル・ファーマノフスキーである。1995年のアメリカ・ツアー(そのときはまだバンドは小さなハコを回っていた)からオアシスの表も裏も撮り続けてきた女史だ。そういう意味では、ザ・クラッシュにおけるペニー・スミスのような存在でもあるだろう。

その彼女が、NME.COMに、ロック・ショットの21枚をチョイスしている。ボブ・グルーエンが撮ったチャック・ベリーとか、デヴィッド・ボウイとか、ボブ・ディランとか、デビー・ハリーとか、ピート・タウンゼントとポール・ウェラーの「モッズ2ショット」とか、あと、エド・サーズ(この人とはレディング・フェスにいっしょに行ったなあ。エドさんには有名なニルヴァーナ写真もある)の「リッチー・エドワーズの4REAL」とか、ロック・ヒストリーの綺羅星たちの眩しい瞬間が選ばれている。もともとジルは劇場付きのオフィシャル・カメラマンとしてキャリアをスタートさせたそうで、やはり、ライブ・ショットへの愛着が高いこともうかがわせる(とはいえ、あのジャパンのデヴィッド・シルヴィアンの有名な「手鏡ポートレート」が彼女だとは知らなかった)。もちろん、自身の作品も選んでいて、その中には、チャーリー・ワッツの横顔や、1995年のアメリカ・ツアー中のオアシス(兄弟ふたりがそろってアクビしているもの)、最後のツアーとなった2009年、ヒートン・パークのステージ上で、機材トラブルに激怒する兄弟のショットなどが選ばれている。

個人的にうれしかったのは、ケヴィン・カミンズが撮ったモリッシーが選ばれていたこと。これは「キル・アンクル」ツアーのものだろう。ステージのモニターに下半身を預けて横たわるモリッシー。床に散乱する花々。モリッシーの顔はとてもうっとりしているように見える。僕にとっての「ロックな瞬間」ベストは、すいません、これなもんで。

ジルが選んだロック・フォトはこちらから。
http://www.nme.com/photos/jill-furmanovsky-picks-her-favourite-music-photos/184203/1/1

ジルが撮ったオアシスの写真はこちらから十数点観ることができる。
http://www.guardian.co.uk/music/gallery/2009/jun/16/oasis#/?picture=348907278&index=0
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