現在発売中のロッキング・オン11月号では、フー・ファイターズのインタビューを掲載。
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「膝抱えて悩みながら過ごすには人生は短過ぎる。大事なのは、世の中のどっかでフー・ファイターズのTシャツ着て歩き回ってるガキどもが一人でも増えるってことだからさ」
今から1年前、フー・ファイターズは、結果的には望外の栄光に満ちた道程へと繋がる最初の数歩を踏み出したところだった。当初は自分の好きな相手と音楽を作りたいというデイヴ・グロールの願望から萌芽した実験であったものが、今や国際的な評価を得るところとなり、彼らのデビューALは『Kerrang!』誌で年間最優秀アルバムに輝いた。
さて、彼は今のようなレベルの成功は多少なりとも予期していたのだろうか?
「あー、俺としては何となく、世の中の大半の人たちはこれがちゃんとしたバンドなのか、一時的なプロジェクトとか毛色の変わった派生的なものなのかってことを見極めようとしてるんだなと感じていて、ある意味それがひとつプレッシャーになってたんだ。でももし誰かが、俺たちのアルバムが『Kerrang!』誌で年間最優秀アルバムに選ばれることになるどころか、ノミネートされることになるって教えてくれたとしても、俺はどうリアクションしていいのか分からなかったと思うよ。最初に聞いた時にはメチャメチャ驚いたし、正直な話、俺たちがその賞を受けるに値するとはとても思えなかったんだ。あれはただ自分たちの楽しみのために、たった5日間で完成させたプロジェクトだったからね。ところがそれが本物のバンドになったわけで、結局のところもの凄く嬉しかったし、とても信じられなかったよ。もの凄く妙な気分だった」
●それが今ではインセンティブが発生するようになったわけですが、今でもやっていて楽しいという気持ちに変わりはありませんか?
「いやあ、むしろ今の方が楽しいよ。だって想像してみて、友達にテープを渡して聴いてもらって、『ワーオ、これ誰? こんなの聴いたことないんだけど』とか言われたら、それはまあそれなりの達成感が得られたわけだよね。でもそれと同じことを、3人の素晴らしいミュージシャンをバックに従えてやれるとなったらどうだい? 俺たち全員凄く仲のいい友人同士で、4か月間ずっと毎日一緒に過ごして、ライブでステージに上がればまるで自分の背中側から分厚いノイズの壁にガンガン押されてるような感覚があってさ。おまけにプレイしながらそこら中跳ね回ることもできるし、みんなが手を叩いてくれたりもするんだぜ!」
●でも、どうして今まで、フロントマンとして自分の音楽をプレイしていなかったんですか?
「いやあ、俺は自分よりカリスマ性が高いミュージシャンなんか世の中にゴマンといるって知ってるからね。フロントマンって言えば、まず頭に浮かぶのはスター性を備えてる人だろ。この人には何か他にない輝きがあるって思わせるようなさ、で、とりあえず俺はそういうものは持ち合わせがなかったんだよ。俺は14歳の時からこんな感じで、全然変わってないからね。ニルヴァーナにいた時にも自分たちでやってる音楽は好きだったけど、俺は立ち上がって跳ね回ったりダンスしたり、楽しくやりたい人間なんだよ、そもそもドラムをあんなに力任せに叩きまくるのもそういうことだし——自分の座ってるところから飛び出したかったんだよね。その点、今はステージの上を、マジでヘットヘトになるまで跳び回ることができる。それでも曲と曲の合間のほんの一瞬に、自分のことをジョークみたいだと思っちゃうことはまだあるよ。フー・ファイターズをちゃんとしたバンドの形にした理由は、俺自身バンドでいる感覚が恋しかったからなんだ。バンドでいるって言うのはつまり、ショウが終わった後、4人で同じ1台のバンに乗り込むみたいなことだよ。ニルヴァーナの末期には何もかもが完全に常軌を逸した状態になってて、もはや俺たち3人の手に負えないほどデカいものになり果ててたからね。時には——他のどのバンドでも、あるいは恋人同士の関係とかでもあるだろうけど——良い時もあればそうじゃない時もあった。毎晩がバンドでいることに対する祝福だった——つまりライブをやるってことだね——だけど一日の大半の時間の過ごし方は、俺たちの思い描いてたものとはとんでもなくかけ離れてた。俺たちはまるで世間知らずだったんだ、これっぽっちも考えが及んでなかったんだ」
(以下、本誌記事へ続く)
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