週末のオスカーで、デイヴ・グロールがボウイ追悼?! オスカーの見どころ5つ

週末のオスカーで、デイヴ・グロールがボウイ追悼?! オスカーの見どころ5つ
週末にアカデミー賞が発表される(日本は29日月曜日午前9時よりWOWOWで放送)。カット最新号3月号で、予想、入魂のインタビュー記事をがっつり紹介しているので、とりあえずそれを要チェックでお願いします。そこに書ききれなかったいくつかの直前見どころをご紹介。

1)デイヴ・グロールのスペシャル・パフォーマンスって何??
今年はオリジナル・ソング部門でノミネートされているレディー・ガガ、ザ・ウィークンド、サム・スミスがパフォーマンスすることになっているが、なぜか最後にオスカー初出演のデイヴ・グロールが追加された。彼はノミネートされていないので、なぜ?の声が飛び交っているが、デヴィッド・ボウイの追悼をするのではないかという噂が。しかし例年、ひとりのアーティストの追悼というのはないので、亡くなった人の追悼の場面で、デイヴが歌うのではと予想されている。去年は、ジェニファー・ハドソンが"I
Can't Let
Go”を歌っている。また去年は『サウンド・オブ・ミュージック』50周年のパフォーマンスをガガが行って絶賛された。そういう類いのものか???デイヴ・グロールがオスカーに出る必然性がなかなか読めない。

パフォーマンス、プレゼンターの全リストはこちら。
http://oscar.go.com/news/oscar-news/oscars-2016-presenters-and-performers-the-complete-list

2)白すぎるオスカーVS黒人司会者クリス・ロック
去年から引き続き俳優4部門のノミネーションがすべて白人のみとなったため、「白すぎるオスカー」と大反発を食らっている。今年の見どころのひとつは、司会者が黒人コメディアンのクリス・ロックであるということ。彼がオープニングのモノローグでどんなギャグをかますかが大注目されているのだ。すごいプレッシャーだと思うがこの笑いは絶対にはずせない。

3)今年予想が一番難しいのは作品賞。
作品賞の行方は、どのメディアも、全作品あまりに接戦でどの作品が獲るか分からないと書いている。現時点では、『マネー・ショート華麗なる大逆転』が一番獲りそうだが、『レヴェナント:蘇りし者』、『スポットライト』どれが獲ってもおかしくない。『マネー・ショート』は、プロデューサー協会賞を受賞。プロデューサー協会賞を獲らないでオスカーを獲った作品は少ない。『スポットライト』は批評家から年間ベストの声を高かった他、俳優協会賞を受賞。オスカーメンバーで一番多いのは、俳優。『レヴェナント』は、監督協会賞を受賞している。

NYタイムス、ローリング・ストーン誌は、『レヴェナント』を予想、エンターテイメント・ウィークリー誌、バラエティ誌、LAタイムス紙は、『マネー・ショート』が獲ると予想している。

4)アレハンドロ・イニャリトゥ監督が2年連続で獲ったら65年ぶり
監督賞の有力候補は現在『レヴェナント』のアレハンドロ・イニャリトゥ監督と言われている。が、彼は去年『バードマン
あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で監督賞を獲ったばかり。2年連続で獲るなんてあるのか?という感じだが、もし獲ったら、65年ぶりの大快挙となる。1950、51年に、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツが『三人の妻への手紙』と、『イヴの総て』で2年連続で受賞している。オスカー87回の歴史で、2年連続で獲った監督はもうひとりしかいなくて、マンキーウィッツの前は、ジョン・フォード。1939年、40年に、『怒りの葡萄』と、『わが谷は緑なりき』で連続受賞している。

ただ、イニャリトゥに関しては、監督賞2年連続で獲る以前に、『バードマン』と『レヴェナント』を2年連続で作ったというだけでも気が狂ってような大快挙だと思う。もっと言えば、カメラマンのエマニュエル・ルベツキは、『ゼロ・グラビティ』を撮って、『バードマン』、『レヴェナント』という映像という点ではすべて限界を超えた新境地、新テクノロジーで撮影されている。頭がおかしいとしか思えないくらいの天才ぶりだ。

5)『マッド・マックス怒りのデスロード』はいくつ獲るのか?
今年最もノミネーションされたのは、『レヴェナント』の12部門だが、それに次ぐのが『マッド・マックス』の10部門。去年の批評家が決める年間ベストにおいては軒並み1位を獲りまくった作品だ。オスカーを獲りやすいタイプの作品ではないとは言え、まさかの作品賞や、監督賞の可能性だってあるし、『レヴェナント』が総なめしそうな、技術、美術賞などでもいくつ食い込めるのか見物だ。

おまけ)『スター・ウォーズ:フォースの覚醒』にもひとつくらいあげて欲しい。
『スター・ウォーズ』は言うまでもなく、とんでもない記録を打ち立てた作品。5部門でノミネートされているが、ハリウッド全体への貢献を考えればひとつくらいあげてもいいのではないか?
そもそも作品賞は10作品ノミネートできるのに枠を残している。10作品に増やしたのは、娯楽作品をノミネートすることができるから、という理由だったはずだ。オスカーは、視聴率の低下を毎年懸念している。だから、よりメジャーなアーティストのパフォーマンスを考え、ノミネートされているのにアントニー・ハガティのようなアーティストのパフォーマンスをカットするというようなことをしている。が、個人的には、観客が愛した作品を無視しないことが何より大事だと思うのだ。大ヒットした『タイタニック』が多数ノミネート+受賞した年は超高視聴率だった。

今年は、白人すぎることや、女優への賃金格差、女性監督への機会の少なさ、アントニーなどのマイノリティパフォーマーからの批難の声がこれまで以上に大きくなっている。古くからの偏見や扉が壊されるような時期に来ていると思う。

果たしてどうなるか? オスカー予想表はこちらからダウンロードできます。
https://assets.documentcloud.org/documents/2697581/EW-Oscar-Ballot.pdf
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