ハインズのライヴ最高すぎ♥ 今すぐ来日チケット買いに走ったほうがいい

pics by AKEMI NAKAMURA

ハインズのライヴが昨日NYで行われた(キャパ600人ソールド・アウト/チケット15ドル)。最高だった♥ だから、とりあえずこんなブログ読んでないで、今すぐ来日公演のチケットを買いに走ったほうがいい!!! 4月18日の来日情報はこちら。
http://ro69.jp/blog/rockinon/138404

ステージの真ん前を陣取るのは、女の子、女の子、女の子。ハインズが大好きで、もう嬉しくて、始まる前からキャッキャッしてる。しかも、気付けば会場の80%くらいが若くてかわいい女の子。マドリッドからやってきた4人組のガレージ・バンド、ハインズに、その女の子達がダンスして、ジャンプして、合唱して、そして最後にはステージにみんな上がって一緒に歌い、踊りまくる。なんて幸せな光景。

ここ数年のアメリカのインディ・ロック・シーン、例えば、タイ・セガールとかマック・デマルコ、カート・ヴァイルなどを感じさせるサウンドを取り入れながらも、それをまとめあげて一歩軽やかに前進してみせたというか、時代はここに向かっていたんだ!とでもいうような意志と賢さがある。しかも、ファンも含めて2016年のアンセムを歌っているのは、彼女達だ〜。と先走ったことを言いたくなってしまうような、新風を感じるライヴだったのだ。

ヴォーカルのカルロッタは、話し始めるとスペイン語訛りの英語だし、ビョークの妹かというかわいさで、もう愛さずにはいられない。自然に笑顔も溢れるし、すぐ観客に伝染。もうひとりのヴォーカルのアナはかわいいというよりいつもクールでカッコ良い。ベースのアデライダは一見シャイっぽくて演奏に真剣。ドラムのアンベルは隙あらば笑顔(笑)。それぞれ4人のキャラもバンド内の役割同様少しずつ違って、この4人だから!と思えるような全体のバランスが抜群なのだ。しかも、そんなかわいさもニの次と思わせる、曲とサウンドが良いのがバンドの最高の魅力だ。

『リーヴ・ミー・アローン』に代表される彼女達のサウンドは、ひとりにしておいてよ、あっち行ってよ〜、私の好きにさせて〜というその反抗精神を、あくまでピースフルな“暴動”として表現しているところが最高かつ肝心なところだと思う。それは、がむしゃらでとにかく破壊的なものではないのだ。MCで「サビがインストだからこの曲はシングルにできないとか、ビデオには自分達が映ってないとかレーベルに言われるけど、関係ない。だって私達が好きなんだもの」とか、「これは愛の歌だから、今日は家に帰ったらみんな愛し合ってね」と言っていたけど、最後には観客の女の子達が彼女達にジョインしてステージに上がり一緒に踊ってしまうという、その光景こそが彼女達のメッセージを象徴していると思う。

去年は、コートニー・バーネットにグライムス、ビョークという思い切ったことをしていたのは女性だったような気がする。その他にもロードとかサヴェージズなど、時代を切り開いている感があるのはなぜか女性。メジャー・シーンを見たって、テイラー・スウィフトにリアーナにビヨンセ! ハリウッドを見たって、スーパーヒーローを演じて稼いでいるのはジェニファー・ローレンスだったりするし。エマ・ワトソンから、レナ・ダナムなど若手の繰り広げる活動や、「私の好きにさせて〜」という態度が、2016年という今のピースフルな反抗精神を生み出しているように思えてならない。そういえば、この間、今の独身女性がいかに今回のアメリカ総選挙に最大の影響力を持っているのかという記事もあった。そういうことも無意識のうちに反映されているのかもしれない。
http://nymag.com/thecut/2016/02/political-power-single-women-c-v-r.html

ハインズは、アメリカでもまだクラブをソールド・アウトするくらいの人気。つまり、今回の来日公演では、世界的に今始まったばかりのバンドを同じ瞬間に目撃できるということ。予定表を見たら、SxSWも含め全米ツアーを終えた後、日本にだけ行って、その後地元に戻るようなので、わざわざ来てくれている感がある。一度見たら虜。愛さずにいられないバンドなので、ぜひぜひ一緒にその波に乗って欲しい〜。

こちら去年のラジオ局での20分間ライヴ映像。
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