今週来日直前!カーリー・レイ・ジェプセンのNYライヴを観た〜

今週来日直前!カーリー・レイ・ジェプセンのNYライヴを観た〜
なんと今週末に開催されるPOPSPRINGに出演、単独公演も決定しているカーリー・レイ・ジェプセンのライヴをNYで観た〜!来日情報はこちら。
http://ro69.jp/news/detail/138888

去年も来日しているが、観逃した方、今回は是非! 去年の9月に開始した『エモーション』発売後の“Gimmie Love Tour”は、全米ツアーを3月26日終えたばかりの充実感と、これから故郷カナダで大アリーナ・ツアーを控えた興奮の、その間という抜群かつ貴重なタイミングで日本にやって来るから。

ご存知『エモーション』は、超メジャー・ヒット・メーカーであるマックス・マーティンから、ヴァンパイア・ウィークエンドのロスタム・バトマングリ、ブラッド・オレンジのデヴ・ハインズに、ジャック・アントノフと作ったというメジャー、インディのカッティング・エッジなアーティストとの間で彼女なりのちょうど良い「感情」を見つけだした作品だった。その努力はしっかり巷でも認められていて、アメリカにおいては、ローリング・ストーン誌も「2015年最も評価されたポップ・アルバムの1枚」と評していたし、ピッチフォークのようなインディ辛口ウェブサイトまでが、年間ベスト・アルバム・リストに入れていたほどだ。ピッチフォーク読者にいたっては「2015年最も過小評価されたアルバム」の1位に選んでいたほどの人気だった。

この日、3000人キャパでソールドアウトの会場に行ったら、もう目移りしちゃうほど今時なオシャレで美しくて若い男の子と女の子でぎちぎちだった。そんな彼らが楽しそうにぴょんぴょん跳ねながら、知らない人同士でも一緒に踊り出しちゃっていた。とにかく楽しくて、軽やかで、さわやかな、希望に溢れた空間を作り出してくれたのがカーリーだった。

80年代のシンディ・ローパーの“ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン”が大好きで、でもブラッド・オレンジの“Cupid Orange”を聴きまくっていたとも言う彼女。または、2012年を制したシングルを作った後で、NYのブロードウェイに行ったりするような彼女。そうやってバランスを取りながら自分の中の心地良い場所を見出しながら出来ていった曲が、正に体現されていたようなライヴだったと思う。

というのも、“アイ・リアリー・ライク・ユー”から“オール・ザット”、“ボーイ・プロブレムス”や“LAハルーシネイションズ”などの思いきりキャッチーなサウンドから詳細なプロダクションの豊かさが楽しめるサウンドまで、幅広く聴き応えのあるライヴだったからだ。さらに、“ポップ・スター”と呼ばれる人達のライヴにおいて、実はそのシンセサイザーの洗練やビートの面白さ、その細部への拘りこそが、ライヴ全体の印象を大きく変えるものであると、この日改めて実感した。

彼女が超メジャーと、超インディの間を彷徨いながら何百曲も作って、彼女の気分にぴったりとフィットするサウンドを見つけ出したはずのこのアルバムの曲のサウンドは、耳をつんざくような押せ押せのメジャー・サウンドで溢れているわけではなく、軽やかなEDMというか、ちょうど良い知性と刺激と気持ち良さで響いてくるのだ。彼女自身「ツアーは大好き」とも語っていたけど、本当にその高揚感も隅々から伝わってきた。この日偶然にもNYは春を初めて感じたような気持ちの良い日だったのだけど、心をふわっと持ち上げてくれるような、誰もが春を味わったような軽やかに幸せな気分になる彼女らしいライヴだった。

長い曲作りは、すべて「NYから始まったのよ」と言って“エモーション”を披露。かと思えば、「みんな男の子の問題は抱えているでしょ。私もよ」と“ボーイ・プロブレムス”を披露。観客に常に語りかけながら、寄り添いながら引っ張って行く。シンセの音が心地よい“ディス・キス”、彼女のヴォーカルはシリアスなトーンなのに会場は大合唱しながらジャンプしまくりでダンスしていたのが、“アイ・ディドゥント・ジャスト・カム・ヒア・トゥ・ダンス”。思わず笑顔になってしまうような光景だった。どの曲もアルバムよりずっとサウンドの深みが楽しめる。サウンドで言えば、この日“オール・ザット”で、デヴがギターで参加して大盛り上がりという場面もあった。

「私があなたを必要だった時に」と歌う“ホエン・アイ・ニーディッド”では、会場から共感の嵐という気持ちの繋がりが感じられたような瞬間。とは言え、「ヘイ!」と「フーウーウー」で合唱で明るく盛り上がっていたんだけど。“レッツ・ゲット・ロスト”も聴かせながら始まりつつ、最後にはみんな夢中で盛り上がるところが最高。そこからは正にライヴも「レッツ・ゲスト・ロスト」。大ヒット曲に、アンコールで、大盛況の中みんなをハッピーにして終わった。
今週来日直前!カーリー・レイ・ジェプセンのNYライヴを観た〜
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March 25, NY Terminal 5 Setlist

1. Run Away With me
2. Making the Most of the Night
3. E•MO•TION
4. Warm Blood
5. Boy Problems
6. This Kiss
7. Favourite Colour
8. Gimmie Love
9. Good Time
10. I Didn't Just Come Here to Dance
11. Tonight I'm Getting Over You
12. Your Type
13. When I Needed You
14. Fever
15. LA Hallucinations
16. All That
17. Let's Get Lost
18. Call Me Maybe
19. I Really Like You

Encore
20. Love Again
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