デイヴ・グロールがフー・ファイの新作やポスト・マローンによるニルヴァーナのカバーについて語る! 故リトル・リチャードへ追悼コメントも発表

デイヴ・グロールがフー・ファイの新作やポスト・マローンによるニルヴァーナのカバーについて語る! 故リトル・リチャードへ追悼コメントも発表 - pic by Akemi Nakamurapic by Akemi Nakamura

フー・ファイターズデイヴ・グロールが、母の日となる5月10日に、LAのラジオALT98.7FMに母親のVirginia Hanlon Grohlと出演した。


インタビューでは主に、デイヴのお母さんが3年前に書いた本『From Cradle to Stage』が、今度はドキュメンタリーになる話をしているのだが、最後に、フー・ファイターズの新作が、なんとフーファイ版のデヴィッド・ボウイ『レッツ・ダンス』であると語っている。その他、デイヴの外出禁止中の生活について、また、ポスト・マローンが最近行なったニルヴァーナのカバーについても語っている。加えてデイヴはリトル・リチャードへの追悼も発表している。

1)ラジオ要約

●今年はフー・ファタイターズ25周年だが、フーファイが開始する時に、デイヴはお母さんに何と連絡したのか?

デイヴ「その時バージニア州にいて、俺はどちらにしてもいつでも1人でレコーディングはしていた。それで、ニルヴァーナが終わった後、俺は、母にバンドの原型となるテープか何かを送ったかもしれない。いやでもどうだったかな? 徐々にバンドに発展していったって感じだったからな。でも25年前のことだったなんて信じられない。もしフー・ファイターズの博物館が見たかったら、母の家に行くのがいいと思う。写真を何もかも取ってあるからね。俺たちのファースト・ツアーからすべてを語るアルバムを持っているんだ。なかなかクールだよ」

●お母さんはデイヴを父親としてどう見るか?

「彼は素晴らしい父親だと思う。彼はもともといつだってみんなにハッピーで楽しんでいてほしいと思っている人だから、(父親であることも)その延長線上なのよね。おかげでみんなハッピーで楽しんで生活している。彼は子供たちとすごく長い時間一緒に過ごすしね。スタジオでレコーディングして、どんなに夜遅く帰ってくる時でも、子供たちのために朝ご飯を作ってあげるし、お昼ご飯も作って持たせてあげるし、車に乗せて学校に連れて行くのよね。それでその後に自分の仕事に取りかかるの。だから本当に素晴らしい父親だと思う。しかも、子供たち一人一人との時間も作ってあげるしね。一人一人と出かけたりして。彼も父親についての本が書けるくらいだと思う」

●新作について

デイヴ「本当だったら今ツアーに出ているところだった。4月の半ばにツアーを開始するはずだったからね。しかもすごく楽しみにしていたんだ。アルバムを作り終えて、しかもめちゃくちゃ良い作品だからね。だからみんなに聴いてもらうのが楽しみで仕方なかったし、演奏するのが楽しみで仕方なかった。新作には、アンセム的なシンガロングのロック・ソングがたくさんある。ただ、すごく奇妙なんだけど、ほとんどダンス・レコードって言えるくらいなんだ。すごく奇妙な意味でね。EDM、ディスコみたいなモダンなダンス・レコードではなくてね。そうじゃない。でもグルーヴがあるんだ。俺に言わせると、このアルバムは、俺たちにとってのデヴィッド・ボウイの『レッツ・ダンス』なんだ。そういうレコードを作るのが目標だったし、高揚感があって、楽しいレコードを作ろうぜ、って言って作ったんだ。だからツアーを楽しみにしていたんだけど、でも、すべてが止まってしまった。それ以外のプロジェクトもあったんだけど、それも全部中断している。この新作も、ツアーも中断してしまった。

デイヴ・グロールがフー・ファイの新作やポスト・マローンによるニルヴァーナのカバーについて語る! 故リトル・リチャードへ追悼コメントも発表

今回のことがあって、俺にとってまず何より大事だったのは、自分の家族で、全員が無事だということ。母も姉も娘たちも妻も全員がまず無事であることを確認した。それでそこからすべてが中断してから2ヶ月が経過するわけだけど、正直言って、母さん、俺が2ヶ月間の休暇取ったのっていつだったか覚えている?」

「一度もないわ」

デイヴ「ないと思うんだ。人生で2ヶ月の休暇を取ったことなんて一度もない。しかも、その前の6ヶ月は本当に一生懸命仕事していた。毎日ね。休みの日は違うプロジェクトをやっていたし。だから今回こうやって休暇が取れて、まあやってることはそれまでと同じなんだけど(笑)。朝起きて、子供たちの朝食作ってさ。でもこの外出禁止期間中は、みんなとコミュニケーションを取り続けることに気を付けている。それぞれが、コンピューターに1日中向き合ってるようなことがないように。だから朝起きたら、『さあ、今日はみんなでタイダイTシャツを作るぞ』とか、次の日は『はい、今日はボロネーゼソースを作るぞ」とかね」

「デイヴはすごい料理をたくさんしているから。次はデイヴの料理本が出るわ」

デイヴ「実は今も豚の肩ロースのスモークをしているところなんだ。とにかく今子供たちと一緒に時間が過ごせてすごくハッピーなんだ。今起きていることの中で、何か明るいこと、ポジティブなことがあるとしたら、それは家族がより仲良くなれたことだと思う。それから、こういう時こそ、みんなが団結するし、優しい面を知るし、お互いが助け合ってるのが分かるしね。

さらに、それだけじゃなくて、ただゆっくりして、リセットする良い時間でもあると思うんだ。自分にとって何が大事なのか、人生にとって大事なことは何なのかを考え直し、再評価する時間でもあると思う。そして、ここから何かそれ以上のことを学ぶべきなのかどうかもね。だからすごく良い時間を過ごしていると思う。うちの子供たちは、カッコ良くてさ。だからみんなでパーティしているよ(笑)」

●ポスト・マローンのニルヴァーナのカバーについて。

デイヴ「オーマイガッ!! すごく奇妙だったよ。というのも、俺はインスタグラムで、『デイヴの本当の話』というシリーズを書き始めたところで。あれは、アルバムを書き終えたばかりだったから、また音楽を書くのは嫌だなあと思って、だけどそれ以外に何をすればいいのかよく分からなくて、それで話を書く事にしたんだけど。

それで、ある話を書いている最中に、誰かから『今ポスト・マローンがYouTubeでニルヴァーナのカバーをやってるよ』って連絡があったんだ。彼には前に会ったことがあって、すごくナイスな人だと思ったし、クールだと思った。それから彼のお父さんにも会って、クールな人だった。

そこから次から次にみんなからテキストが来始めたんだ。『ポストの見てる?』ってね。それで俺は『いや今書き物しているところだから見てない』って言ったんだけど、『かなり良いよ』って言われてさ。『そうなんだ』って言って、でもまだ書き物を続けていたんだ。そしたらまた別の人からテキストが来て『ポスト・マローン見てる?』ってね。『いや、見てない』って言って、でもとうとう見てみることにしたんだ。その時、“Breed”やってたかな。覚えてないけど。でも見始めたんだよね。それでまずトラヴィス(・バーカー)がニルヴァーナの曲でドラムを叩いているのを見て、すごく光栄に思ったし、すごくクールだと思った。それで、ただそのサウンドやコードという以上に、とにかく見ててすごく良い気分になった。それを見て、奇妙な気分にならなかったんだよね。だって、彼らの演奏がマジで最高だったからね。だから何曲も見たけど、マジでクールだと思ったよ。他の人たちがニルヴァーナのカバーをするのをしょっちゅうは目にすることはないけど、彼は全然緊張しているような感じでもなかったし、マジでサウンドも最高だった。母さんは見た?」

「見てないわ」

デイヴ「マジで最高だったんだよ。俺の知り合いのニルヴァーナの熱狂的なファンですら、彼の演奏は最高だよ、って言ってたからね」

デイヴは最後に「母の日おめでとう。ラザニアを作るよ」と言ってインタビューを終えている。

ドキュメンタリー・シリーズがどのように公開されるのか分からないが、毎回涙が止まらなくなるとも語っていた。

ポスト・マローンのニルヴァーナのカバーは、元々WHOへの寄付が目的とされて行われたものだが、なんと現時点で約480万ドルも寄付金が集まっている! Googleが集まった金額の2倍、500万ドルまで寄付する事になっているので、約10億円集めたことになる。素晴らしい。ライブ映像はまだ見られる。
https://rockinon.com/blog/nakamura/193731

2)フー・ファイターズのライブ映像公開

また、フー・ファイターズも外出制限期間中ライブ映像を公開しているが、今回は、2時間以上もある2006年の『Skin and Bones』のライブが全編公開されている。


ひとつ残念なのは、ロラパルーザの企画で毎週木曜日にライブが公開されていて、7日に2011年のフーファイのライブが公開されていたのだ。が、今見たらもうなくなっていた。

私も現場で見ていて、あの年はロラパルーザの20周年記念でもあり、カートと一緒に初回のロラパルーザを観に行った話を、デイヴがしてくれてじーんとしたのと、大雨が降ってきて、それが非常にドラマチックで、絶対に忘れられないライブになった。
https://rockinon.com/blog/nakamura/56127

今週の木曜日も要チェック!
https://www.youtube.com/user/lollapalooza

3)リトル・リチャードへの追悼

デイヴ・グロールが亡くなったリトル・リチャードへの追悼をツイートしている。


俺は昔、誰か1人に会えるとしたら誰に会いたい?と訊かれると、いつでも『リトル・リチャード』と答えていた。なぜなら俺に
とっては、彼がロックンロールで、最も喜びに溢れていて、かつ反抗的な革新者であると思えたから。種を撒いてくれてありがとう、リチャード。あなたの音楽のおかげで、世界はずっと幸せな場所になりました。#RIPLITTLERICHARD


デイヴはそこでリトル・リチャードにサインをしてもらったパンフレットを掲載しているが、ここにもまた物語がある。これはモーターヘッドのレミー・キルミスターのお葬式の時に披露していた話だが、リトル・リチャードへの愛を分かち合った仲として紹介。ある時デイヴが空港にいたら、誰かに声を掛けられて「あなた誰か1人に会えるとしたらリトル・リチャードに会いたいんですよね?」と言われ、「そうだよ」と答えたそう。すると「俺の父なんだ」と言って連れて行かれたところにリムジンが停まっていて、車の窓が少し開いたら、そこにリトル・リチャードが座っていたそう。そしてここに紹介している写真にサインをしてくれたということ。この写真をレミーの誕生日にあげようと思っていたら亡くなってしまったと、レミーのお葬式でデイヴはそう言って泣いている。

インスタではボウイからプリンスなど毎週面白い思い出を公開しているのでチェックしてみて。

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