デイヴ・グロール、ビリー・アイリッシュ、レディー・ガガ、ニール・ヤングなど600人のアーティストが独立系ライブハウスを救済するよう議会に要請

デイヴ・グロール、ビリー・アイリッシュ、レディー・ガガ、ニール・ヤングなど600人のアーティストが独立系ライブハウスを救済するよう議会に要請 - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA

現在アメリカではライブができないため、独立系のライブハウスは、今年中にライブが再開しなかったら90%はつぶれてしまうと言われている。

そのライブハウスを救うために、デイヴ・グロールビリー・アイリッシュレディー・ガガニール・ヤングなど600人のアーティストが、立ち上がった。国に救済を要請する手紙を議会に提出したのだ。内容は以下の通り。

https://www.nivassoc.org/artists-letter-to-congress

我々以下に署名したアーティストは、NIVA(アメリカ独立系会場協会)が要請する、アメリカ国内の独立系ライブハウスの国の援助を支援するためにこの手紙を提出する。

アメリカが本当の意味で”復活”したと言えるのは、ライブ会場が、コンサートを安全に楽しめるファンで埋め尽くされるようになった時だと思う。ライブ音楽の体験は、この国のカルチャーのみならず、経済活動にとって切っても切り離せない関係にあるからだ。実際、アメリカ人の53%であるなんと1億7,200万人が去年コンサートに行っている。

忘れないでいただきたいのは、アメリカというのは、ジャズ、カントリー、ロックンロール、ブルーグラス、ヒップホップ、メタル、ブルース、R&Bを世界に産み落としたということ。つまりエンターテイメントというのは、アメリカ最大の経済的輸出品ということになる。アメリカのアーティストが作り、プロデュースした曲が、世界中の至るところで歌われているわけだから。そして、そのすべての音楽ジャンルとそれに関わっているアーティストが繁栄するにいたったのは、地元の独立系ライブ会場で、演奏し、その才能を磨き、観客を増やし、その後何百万人もの人達に楽しんでもらえるエンターテイナーになるべく成長できたおかげだ。

独立系ライブハウスは、アーティストがキャリアをスタートする場所であり、実際多くのアーティストにとっては、初めてのライブを行なう場所である。そして今回(コロナの影響で)そういう会場こそが最初に閉鎖され、最後まで開けられない。現在収入はゼロであるにも関わらず、家賃、借金の返済、電気、ガス、水道代から、税金、保険など経費の支払いがあるため、もし閉鎖が6ヶ月続き、政府からの援助がなければ、90%の独立系ライブハウスが、もう二度とオープンできないと言われている。

我々は、再び安全になり、ファンが会場に戻れるようになった時に、独立系のライブハウスがオープンできるように、国がNIVAを援助するように要請する。音楽産業の生態系にとって最も重要な要素が崩壊してしまうことは、大きな打撃になる。独立系のライブ会場は一時的な給付金のようなものではなくて、未来の保証を要求している。シカゴのある調査によると、各会場はチケット代1ドルにつき、12ドルの経済活動をもたらしているという。なので、独立系ライブハウスが永遠に閉まってしまったら、それぞれの地域のカルチャーやエンターテイメントの心が失われてしまうばかりか、その周辺にもたらす経済活動をも絶やしてしまうことになる。

敬意と団結とともに、我々アーティストとコミュニティは、#SaveOurStagesを援助する連邦法を通過させることを要請する。


署名したアーティストは、デイヴ・グロール、ビリー・アイリッシュ、ウィリー・ネルソン、レディー・ガガ、ニール・ヤング、ケイシー・マスグレイヴス、ブリタニー・ハワード、ビリー・ジョエルセイント・ヴィンセントアース・ウインド・アンド・ファイアー、ジャスティン・ヴァーノン、デヴィッド・バーンノラ・ジョーンズアリス・クーパーシンディ・ローパーヴァンパイア・ウィークエンドロバート・プラント、ジョシュ・オム、オジー・オズボーンカマシ・ワシントン、トレント・レズナー、パティ・スミス、フィニアス、ミツキジョニ・ミッチェルベックキム・ゴードンなど。
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