2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など

2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by Nine Inch Nails Panorama 2017pic by Nine Inch Nails Panorama 2017

アメリカでは、テイラー・スウィフトビリー・アイリッシュなどメジャー・アーティストのツアーは全部来年に延期され、10月に予定されていたコーチェラフェスも来年開催と発表された。

いよいよ今年はライブはないのかも.......と思い始めている今日この頃。北米最大のツアープロモーターであるライブ・ネイションが、来年のツアーに関する条件をアーティストに送ったとローリング・ストーン誌が報じている。

2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by Tyler The Creator Gov Ball 2019pic by Tyler The Creator Gov Ball 2019

その内容がかなり厳しい。中には、前代未聞と言われているものもある。
https://www.rollingstone.com/pro/news/live-nation-memo-pay-cuts-covid-1016989/

以下内容をざっくり書き出す。契約は主にフェス出演の時のもの。

1)ギャラは今年の額から20%削減

2)チケットの売れ行きが悪くコンサートをキャンセルした場合のギャラは25%(これまでは100%払われていたそう)

3)アーティストの都合でコンサートをキャンセルした場合は、アーティストに支払われる予定だったギャラの2倍を罰金として払う(これは前代未聞)

4)チケットの値段は、プロモーターのみが決める。場合によっては変更する。

5)支払い方法:フェス出演の場合は、ギャラの10%をフェス開催の1ヶ月前に支払う。契約通りにライブが行なわれたら、残りの90%から通常の経費、税金、制作経費を引いたものを支払う。

6)マーケティング義務:アーティストはソーシャルメディアを使ってフェスのマーケティングを援助する最低の義務がある。詳しい規定は別途記載。

7)フェス出演の場合は、ライブ映像の撮影を許可しなくてはいけない。フェスは、それをTVでの生中継、ウェブでのライブストリーム、オンデマンドでのストリーム、衛生ラジオ中継に使用して良い。

8)グッズ販売:グッズの売り上げの70%がアーティストに支払われる。フェスが終わってから2週間以内にアーティストに送金される。

9)飛行機代&宿泊費:アーティストが全額負担する

10)スポンサー:スポンサーに関してはプロモーターが制限なしですべて管理する。アーティストは特定のブランドをステージ上でまたプロダクションで宣伝してはいけない。

11)義務期間約款:(フェスに出演する時にその近辺でライブをしてはいけない)もしフェスに事前に了解を得ないで、これを違反した場合は、ギャラの削減か、出演のキャンセルをする。その場合はすでに前払いしたギャラを即返金する。

12)保険:天候ややむを得ない理由でフェスがキャンセルになってもプロモーターはアーティストの経費には責任がない。各自保険に入るように。

13)やむを得ない理由でのキャンセル:コロナウイルスのようなパンデミックを含む、やむを得ない理由でライブがキャンセルされた場合、アーティストにギャラは支払わない。アーティストは独自にキャンセルになった場合の保険に入らなくてはいけない。

14)会場が何かしらの理由で使えなくなった場合:会場側か政府からの要請で会場が使えなくなった場合、プロモーターはアーティストとの契約を解除する。アーティストは事前に支払われたギャラを返金する。

ライブ・ネイションは、アーティストのためにも、プロデューサーのためにも、ファンのためにも、フェスティバルなどが続いていくことが大事なので、そのために以上の決断を下した。理解して欲しいと書いている。

多くのライブがキャンセルになった時、プロモーターの負担を軽くするものであるように思う。今回、ライブ・ネイションのチケットを販売しているチケットマスターは、当初4億ドル分の払い戻しをしたと言われている。その後どうなったのか分からないが、来年に延期したライブについて、払い戻しを請求した人はわずか3%だったそうだ。

アメリカでは、現時点では、リンカーン・センターやカーネギー・ホールなどクラシック、オペラなどの会場も、来年1月までの公演をキャンセルすると発表された。ブロードウェイミュージカルは今年9月までは閉鎖。

ライブ・ネイションに次ぐ大手コンサートプロモーターであるAEGは、今年ツアーを再開するのは無理だろうとNYタイムズに語っている。
https://www.nytimes.com/2020/05/24/arts/reopening-dance-music-theater-virus.html?searchResultPosition=1

500人規模の会場でキャパを半分以下にすれば、年末には再開できるのではという意見もありつつ、常に希望を持つことと現実的であることのバランスが大事だと関係者はその記事の中で語っている。アーティストの所属する大手マネージメントCAAは、ワクチンの開発か検査次第だと語っている。

現在カルチャー面で唯一再開しているのは、美術館だ。ヒューストンの美術館がオープンしている。

また、映画館も7月にはオープンすると言われている。両方とも人との距離を2メートル空けるソーシャルディスタンスは徹底される。映画については、ネットでストリーミング公開する映画が多い中、現在注目されているのが、絶対に劇場で公開すると言っているクリストファー・ノーランの新作『TENET』だ。

これは個人的にも予告編をまだ劇場が開いている時に観たけど、例え来年になってもいいから絶対にIMAXで観たい作品だ。日本の劇場はすでに開いてるそうなので、日本の皆さんは劇場で観れるのかもしれない。

https://youtu.be/L3pk_TBkihU

コンサート産業はこの20年間、伸び続けてきたばかりか、アーティストの重要な収入源となっていた。今年は、世界で29億ドルの利益が見込まれていたそうだ。その大半がアーティストの収入となる予定だった。

  • 2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by The 1975 Gov Ball 2019

    pic by The 1975 Gov Ball 2019

  • 2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by Gov Ball 2019

    pic by Gov Ball 2019

  • 2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by The 1975 Gov Ball 2019
  • 2021年のツアーに関するライブ・ネイションからアーティストへの通達内容が厳しい。ギャラは20%削減など - pic by Gov Ball 2019

ファンとしても希望を持ちつつも、現実的に状況を見て、コンサートの再開を待ちたい。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

洋楽 人気記事

最新ブログ

フォローする