今年のベスト・アルバム・リスト、ローリング・ストーン誌など米メジャー・メディアも出揃う。2020年総合1位は?

今年のベスト・アルバム・リスト、ローリング・ストーン誌など米メジャー・メディアも出揃う。2020年総合1位は?

このカオスな2020年も間もなく終わろうとしているということ自体が信じられない今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか?

アメリカのメジャーなメディアも年間ベスト・リストを発表し、これでほぼ出揃ったかなと感じになっている。まずフィオナ・アップルが総合的に1位であることは確実だ。発売された瞬間から大絶賛されたし、個人的にもそう思うので、この結果には100%同意する。

以下20位くらいまでは各メディア多少順位の違いはあれど作品自体はほぼ同じなので、今年を代表する作品だったと言ってよいのかなという気がする。もし聴いてない作品があったら是非年末年始のプレイリストに。

残すはいつも引っ張るピッチフォークだけど、昔ほどの威力はもうない。ピッチフォークが選ぶ1位は、今年カニエ・ウェストの『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』以来10年ぶりに満点を付けた、フィオナ・アップルの『フェッチ・ザ・ボルト・カッターズ』であることはほぼ確実。そうじゃなかったら大きなニュースになると思う。

以下米メジャー誌ローリング・ストーンなどが選ぶ今年のベスト・アルバム・リストと各誌を平均化した今年の総合順位。

1)ローリング・ストーン誌


1. Taylor Swift "folklore"
2. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
3. Bad Bunny "YHLQMDLG"
4. Bob Dylan "Rough and Rowdy Ways"
5. Dua Lipa "Future Nostalgia"
6. Run the Jewels "RTJ4"
7. Waxahatchee "Saint Cloud"
8. Lil Uzi Vert "Eternal Atake"
9. Jessie Ware "What's Your Pleasure?"
10. Phoebe Bridgers "Punisher"
11. Lady Gaga "Chromatica"
12. Bruce Springsteen "Letter to You"
13. City Girls "City on Look"
14. Haim "Women in Music Pt. III"
15. Flo Milli "Ho, Why Is Your Here?"
16. BTS "Map of the Soul: 7"
17. Fleet Foxes "Shore"
18. Moses Sumney "Græ"
19. Chloe x Halle "Ungodly Hour"
20. Ashley McBryde "Never Will"

2) エンターテインメント・ウィークリー誌


1. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
2. The Weeknd "After Hours"
3. Run the Jewels "RTJ4"
4. Bob Dylan "Rough and Rowdy Ways"
5. Taylor Swift "folklore"
6. The Chicks, "Gaslighter"
7. Haim "Women in Music Pt. III"
8. Jay Electronica "A Written Testimony"
9. Bad Bunny "YHLQMDLG"
10. Sault "Untitled (Black Is)"
11. Dua Lipa "Future Nostalgia"
12. Butch Walker "American Love Story"
13. Perfume Genius "Set My Heart on Fire Immediately"
14. Brandy Clark "Your Life is a Record"
15. Hayley Williams "Petals for Armor"

3) NYタイムズ:毎年恒例3人のライターが選出。3人で選んでいるので、他のリストには入らない幅広さがある。


a) チーフライターのJon Parelesのリスト。スフィアン・スティーヴンスが1位でちょっと驚き。
1. Sufjan Stevens "The Ascension"
2. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
3. Moses Sumney "Græ"
4. Taylor Swift "folklore"
5. Bob Dylan "Rough and Rowdy Ways"
6. Lianne La Havas "Lianne La Havas"
7. Burna Boy "Twice as Tall"
8. Run the Jewels "RTJ4"
9. Jyoti "Mama, You Can Bet!"
10. Autechre "SIGN"

プレイリストは下記リンクから。
https://open.spotify.com/playlist/5F3AwA56hyEDlPyUFQKamO

b) Jon Caramanicaのリスト
1. Sam Hunt "Southside"
2. Rina Sawayama "Sawayama"
3. Rod Wave "Pray 4 Love"
4. Jay Electronica "A Written Testimony"
5. Run the Jewels "RTJ4"
6. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
7. Pop Smoke "Shoot for the Stars Aim for the Moon"
8. Flo Milli "Ho, Why Is You Here?"
9. Powfu, "poems of the past"
10. Justin Bieber "Changes"
11. Chris Stapleton "Starting Over"
12. Bad Bunny "YHLQMDLG"
13. Beach Bunny "Honeymoon"

https://open.spotify.com/playlist/6GFMeq2UA0g6ASEH1v8IGH

c) Lindsay Zoladzのリスト
1. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
2. Phoebe Bridgers "Punisher"
3. Waxahatchee "Saint Cloud"
4. Haim "Women in Music Pt. III"
5. Yves Tumor "Heaven to a Tortured Mind"
6. Charli XCX "How I'm Feeling Now"
7. Jessie Ware "What's Your Pleasure?"
8. Lil Uzi Vert "Eternal Atake"
9. Jeff Rosenstock "No Dream"
10. Perfume Genius "Set My Heart on Fire Immediately"
11. Taylor Swift "folklore"

https://open.spotify.com/playlist/4SnhxIwVRtzCGa8dainT4c

4) 世界のメディア36媒体の年間ベスト・アルバム・リストを平均化した2020年の総合リスト


1. Fiona Apple "Fetch the Bolt Cutters"
2. Run the Jewels "RTJ4"
3. Phoebe Bridgers "Punisher"

Phoebe BridgersのMVをPhoebeと名前が極似しているPhoebe Waller-Bridgeが監督。彼女はTVドラマ『フリーバック』で人気に。しかもMVでは、今年世界がイッキ見しまくったHuluの記録的人気シリーズ 『ふつうの人々』のポール・メスカルが主演を務めるという気の利き方(笑)。

https://www.facebook.com/phoebebridgers/videos/387568852315403/

最新TVライブ映像


4. Taylor Swift "folklore"

Disney+でライブセッション映像を配信中。

https://twitter.com/DisneyPlusJP/status/1334709011493482496

5. Bob Dylan "Rough and Rowdy Ways"
6. Sault "Untitled (Black Is)"
7. Dua Lipa "Future Nostalgia"

最近発表されたNPRのTiny Desk(Home) Concert映像


8. Waxahatchee "Saint Cloud"
9. Perfume Genius "Set My Heart on Fire Immediately"
10. Rina Sawayama "Sawayama"
11. Haim "Women in Music Pt. III"
12. Fontaines D.C. "A Hero's Death"
13. Yves Tumor "Heaven To A Tortured Mind"
14. Fleet Foxes "Shore"

フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールドは、コーラス隊とともにブルックリンの教会からライブ配信。考えただけで上がる&泣ける。しかも、このアルバムが発表されたのは秋分の日だったが、今回のライブについては12月21日の冬至にあわせ「とても孤独な冬至ライブストリーム」"A Very Lonley Solstice Livestream"と題されている。徹底している。必見。


15. Charli XCX "how i'm feeling now"
16. Sault "Untitled (Rise)"
17. Chloe x Halle "Ungodly Hour"
18. Lil Uzi Vert "Eternal Atake"
19. The Weeknd "After Hours"

なんとロザリアと共演でリミックスした"Blinding Lights"のMV公開。熱々でカッコ良すぎ。


20. Freddie Gibbs & The Alchemist "Alfredo"

今年は発売した時から絶賛された8年ぶりのフィオナ・アップルの作品が最後までやはりずば抜けていたというのが一番大きな特徴だが、もうひとつは、テイラー・スウィフトだろう。

彼女はこれまで記録を破りまくる世界的な人気を獲得していたが、年間ベスト・アルバム・リストで総合10位以内に入ったことは一度もない。今回コロナ禍で反射的に作った作品だったとはいえ、恐らくいつかチャレンジしてみたいと思っていた領域に、インディ・シーンで絶大な尊敬を得るアーティストとのコラボしたことで挑戦できたのだと思う。

結果、批評家に初めて認められる作品となり、さらに記録的なヒットともなった。ひとりよがりなものになり、失敗に終わる可能性も大いにあったことを思うと、彼女のアーティストとしての感性が今冴えている証拠だと思う。そういう時が来るのを待っていたのだとも思う。『ラヴァー』を出した後のインタビューの中で、カニエ・ウェストの話を正直にしていて、「彼に認められるような音楽を作りたいと思っていた」と語っていたのが印象的だった。カニエとの関係性は大きく変わってしまったので今はそうは思っていないと思うけど、彼女の中にあった、人気があるだけではなくて、本物のアーティストとして認められたいという思いがここに繋がっていったのだと思う。



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