ビリー・アイリッシュがTime誌の選ぶ「世界で最も影響力のある100人」の表紙に。METガラではデザイナーに毛皮を今後使わないと約束してもらう。

ビリー・アイリッシュがTime誌の選ぶ「世界で最も影響力のある100人」の表紙に。METガラではデザイナーに毛皮を今後使わないと約束してもらう。

毎年恒例Time誌が2021年の「世界で最も影響力のある100人」を発表した。ビリー・アイリッシュが表紙の1人に選ばれている。去年選んでも良かったのに!と思うくらいだが、いまだ世界で最も影響力があることは間違いない。

ビリーについてコメントを書いているのは、ミーガン・ジー・スタリオン。グラミー賞でのビリーのミーガンへのコメントを思うとちょっと胸が痛いけど。
https://rockinon.com/blog/nakamura/198039

彼女の書いたことは以下の通り。

「ビリーは独特な魂の持ち主で、その声も、スタイルも、態度も、悪びれずに彼女独自のものだ。ビリーに初めて会ったのは、今年のグラミー賞の時。彼女はすでに世界的な大スターになっていたから、それだけで、お高くとまるような人もいると思うけど、ビリーはそうじゃなかった。

彼女は本当にリアルで、それでいて落ち着いていた。彼女の個性はあまりに大きいのに。彼女は、自分の心から話ができて、しかもカッコつけるところがない、非常に稀な精神の持ち主だ。すごく強いし、まだ学んでいるし、成長している。自分のために立ち上がり、自分以外の女性の代弁者でもある」


ビリーに対する印象は、このミーガンの言葉に集約されているように思う。私は一度だけ会ったことがあるけど、それ以外の彼女をメディアで見ていても、その時の印象が全く変わることもないし、このミーガンの言葉にも完全に同意する。
本当に知れば知るほど、奇跡的な存在。
https://time.com/collection/100-most-influential-people-2021/6095808/billie-eilish-pioneer/?jwsource=cl


上のインタビュー映像の中では、兄や、コロナ禍、新作についてや、以下のようなことを話している。

歳の取るのは嫌かもと思っていたけど、実際歳を取ると、自分でなんでもできると分かって楽しんでいる。
自分がインターネットとともに育ってきたことが好きじゃない。とりわけ16歳の時の自分の映像を見て、なんであんなこと話しているんだろうと思ったりするから。

それでいて、インターネットのおかげで自分のキャリアができたわけだから、それには感謝している。
それにインターネットのおかげで、これまで意見を聞いてもらえなかったような人たちの意見が広まるようになった。
それでもまだ、意見を聞いてもらえないような人たちもいると思うから、自分はその人たちの代弁者になりたい。

だけど、難しいものでもある。有名になると、より二面性があることが分かり、より怖くなる。
自分のことを誰も知らない時は、思ったことをそのまま言っていたから。
だけど、それに負けて、自分が言いたいことを言わないようには絶対になりたくない。
自分の意見を言うことは、すごく大事だと思うから。


自分の意見を言うというのは大事、と言うことと、今回の特集である影響力があるということに関係しているけど、先日ビリーは、METガラのホストの1人としてレッドカーペットに登場した。アルバムのフィーリングと同じ、マリリン・モンローを彷彿とさせる、しかしビリーのこれまでのスタイルとは大きく違う、初めての超豪華なドレスを着て登場した。

それはそれは美しかったけど、その裏話に感動した。


NYタイムズ紙によると、彼女のドレスをデザインしたオスカー・デ・ラ・レンタに、今後一切毛皮を使わないことを条件にしたというのだ!

デ・ラ・レンタは、ここ数年は、毛皮の使用を減らしてはいたし、使用については悩んでいたものの、売上が見込めるため、完全にはやめていなかった。しかし、今回ビリーからの要請があったことを受けて、その時が来たと確信。今後毛皮の使用を完全に止めると発表したのだ。
なんて素晴らしい!

デ・ラ・レンタのチーフ・エグゼクティブは以下のようにコメントしている。
毛皮を使用するかしないかにあたり「オスカーのことを思い出している。彼は、毛皮が大好きだったから。だけど同時にファッション・ビジネスをやる上で、彼がいつも心配していたのは、自分の目が古くなってしまうこと」。だから、彼は、いつも若い人や、意見の違う人と一緒にいるようにしていた、と。それを今回のビリーの要請を受けて思い出し、若い人達の意見を聞くべきだと思った、と。

ビリーは、ビーガンでも知られているが、デ・ラ・レンタの今回の決定を受けて、以下のコメントをNYタイムズ紙に送っている。


「2021年に毛皮を着ることが完全に違法でないことにむしろ衝撃を受けている。この件について意見を聞き入れてもらい、変化の要因になったことを光栄に思う」


正に、Time誌で表紙になった理由を実践している。
しかも、METガラという超華やかな場の舞台裏で。
感動。

その他、ビリー・アイリッシュの最近の活動。

現在コンサート映像『ハピアー・ザン・エヴァー:L.A.へのラブレター』が、ディズニープラスで配信中。

その中から1曲”Happier Than Ever”の映像が公開されている。

さらに、ビリーは今週からとうとうフェスへ出演!
去年の3月に世界ツアーが3回で終了して以来、なんと18ヶ月ぶりに観客の前で歌う。

来週には、NYのガナバーズ・ボールにも出演するし、25日には、チャリティ・イベントのGlobal Citizenにも出演する。

Global Citizenは日本でも配信される。

さらに延期に次ぐ延期だった『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がとうとう公開!
ポッドキャストで、曲について語っている。

9月28日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで世界プレミアが行われるがそこにビリーも行くかも?という噂もある。
日本の公開は10月1日。これはマスクを2重にガッチリしてぜひ劇場で観たい!



ビリー・アイリッシュの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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