この秋アメリカのフェスに行きまくった。コロナ禍で無事行われたのか? まずはNYフェス10周年記念ガバナーズ・ボール。ビリー、エイサップ・ロッキー、ポスト・マローン!

この秋アメリカのフェスに行きまくった。コロナ禍で無事行われたのか?  まずはNYフェス10周年記念ガバナーズ・ボール。ビリー、エイサップ・ロッキー、ポスト・マローン! - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA

このレポートは、トラヴィス・スコットのフェスで事故が起きる前に書いていたんだけど、発表の順番が逆になってしまった。事故が起きたことを思うと少々読みづらい箇所もあるかもしれない。すいません。

11月になり、もう年末が見えてきたので、焦ってやっている(汗)。レポートしようと思っていたことを急いで報告したい。まずは、アメリカのフェス事情について。

アメリカはこの1年半すべてが停止していたけど、夏から急に動き出し、秋にはフェスもどんどん行われた。私も、現時点では、大小合わせて、5つ行った。以前レポートしたシカゴのロラパルーザ(キャパ385,000人)
https://rockinon.com/blog/nakamura/199777

2.ラスベガスの iHeartRadio ミュージック・フェスティバル(昼の部)
https://rockinon.com/blog/nakamura/200589

3.ラスベガスの iHeartRadio ミュージック・フェスティバル(夜の部)(40,000人)

4. ラスベガスのLife Is Beautiful フェスティバル:9月の興行成績アメリカ最大を記録(180,000人)

5. NYのガバナーズ・ボール(150,000人)

アメリカのフェスが今年どのように行われたのかを簡単にご報告したい。

まずはNYのガバナーズ・ボール。今年10周年を迎えたフェスだ。

毎年5月の最終週から6月の頭の週末に行われていたが、去年はキャンセルで、今年2年ぶりに9月24ー26日に、これまでと会場を変えて、メッツ球場のあるシティ・フィールドの駐車場で行われた。各日キャパ5万人で、3日とも売り切れ。
https://www.instagram.com/p/CUQrf4HjU39/

ステージは、4つで、このフェスの自慢は、全ステージが背中合わせに設置されていて、10分くらいで1周できること。会場も駅の真前だし、野球のシーズン中は、球場の観客4万人くらいが使っているので、終了後も臨時電車が手配されてめちゃくちゃ便利だ。さらに今年2年ぶりにアメリカのフェスにいくつか行って改めて思ったけど、主催者もフェス開催に慣れてきたので、どこに行っても混乱もないし、何よりそれぞれのフェスに特徴があって空間としての演出が個性的で素敵だ。

今年のラインナップは以下の通り。

まず肝心のコロナ対策は:
ワクチン接種をフェスの2週間以上前に終えていること、または、コロナの検査をフェスの72時間前までに行い、陰性であること。
ワクチン接種をした人は、ワクチン接種済みのカードか、またはNYのワクチン接種済みアプリがあり、そのどちらかとID見せること。検査した人は、検査結果を入り口でそれを見せるとリストバンドがもらえる。入場は特に混乱していなかった。
https://twitter.com/CitiField/status/1442198854846357504

証明して中に入れば、あとは完全に通常のフェスだ。キャパも100%だし、マスクなしで、ソーシャルディスタンスもなしで、歓声もオーケー、お酒も食事も普通にできる。私自身は、まあまあびびっていたけど、様々な写真を見てもらえれば分かるように、多くの観客は、久しぶりのフェスを謳歌していた。
https://www.instagram.com/p/CUTmB7Ur1iO/
https://www.instagram.com/p/CUdLl2cL01L/

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シカゴのロラパルーザの後で、シカゴ市がフェスによってコロナ患者が増えたのか?という発表をしていて、約40万人が集まったフェスに行った後に、コロナ感染者は200人程度という報告がされた。

なので、ガバナーズボールのメディア担当にも報告の予定はあるかと訊いたら、ニューヨーク市に問い合わせてくれと言われたので、ニューヨーク市の衛生局に問い合わせした。当初は今レポートを制作中だから待ってと言われたのだけど、結局待っても待っても返事が来なかった。なので、参考程度にしかならないけど、データを見てみた。

このフェスが行われた3日間で、NY市(人口882万人)のコロナに関するデータは以下の通り。

コロナ新感染者数平均は、開催週の
9月24, 25日の週が1日平均1,787人
26日の週は1日平均1,733人

終了して2週間後の
10月10日の週は1日平均1,579人

また亡くなった人の数は
9月24、25日の週は1日平均14人
26日の週は、1日平均16人

終了して2週間後の
10月10日の週は1日平均10人

ちなみに今日
11月4日は
新患者数974人
亡くなった人1人

この数字だけを見るとフェス開催に関係なく下がり続けている。個人的にも、このフェスの前と終わって2週間後にPCR検査も、抗原検査もやったが陰性だった。ちなみに、NYは街中に無料検査場があるので、予約もなしでその場ですぐやってくれる。抗原検査は15分くらい待っていると結果がもらえて、PCR検査は後で携帯にメッセージが送られてくるので気軽だし便利だ。

この秋アメリカのフェスに行きまくった。コロナ禍で無事行われたのか?  まずはNYフェス10周年記念ガバナーズ・ボール。ビリー、エイサップ・ロッキー、ポスト・マローン!

もちろんこれだけ見てフェスでクラスター発生しなかったとは言い切れないが、現時点ではクラスター発生したというレポートもないので、これ以上調べようがない。もしニューヨーク市から発表があったら追ってレポートします!

というわけで、フェスのパフォーマンスがどうだったのか?について。

1)ビリー・アイリッシュ
まずはなんと言っても、最高だったのがビリー・アイリッシュ!

彼女のドキュメンタリー映画『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』の中で、初めてフェスに出演し、誰も来てくれると思わなかったのに、たくさん集まってくれたから感動したという話が出てくるが、それがこのフェスだ。2018年に、まだメインステージでもない早い時間帯に出演した。

それからわずか3年で次に出演したのがこのメインステージのトリなのだ。

彼女は、2019年の世界ツアーで大ブレイクし、本来だったらアリーナの世界ツアーをして、そこでさらに人気を獲得するはずが、2020年は世界が停止。彼女はその勢いを衰えさせることなく、音楽のみならず、アメリカの大統領選から、地球温暖化対策など積極的に活動し続けて、社会と関わり続けながら、人気を拡大し続けた。

しかも、2作目まで完成させ、ツアーもやっていなかったのに、いきなりのメインステージのトリだ。もともとの経験が浅い上に、この奇妙な状況の中で、いきなりフェスのメインステージに立つなんて大丈夫なんだろうか?と思ったけど、このステージ立つために生まれてきたと言わんばかりの圧巻のパフォーマンスだった。

何より驚いたのは、観客が、もう新作を聴き込んでいたこと。普通フェスだと、単独のライブに比べると、彼女のヒット曲だけを聴きたいという人が多いはずなので、出て時間の経ってない『ハピアー・ザン・エヴァー』より、ファースト・アルバムの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー』からの曲の方が盛り上がると思うが、”bury a friend”、”you should see me in a crown”と初期の曲で勢いよく始めた後は、”I Did’t Chage My Number” 、NDA”から、”Lost Cause”など次々に新作からも演奏し、観客は新曲をここで初めて生で聴けることにさらにエキサイトしていた。

また、新曲なら”Halley’s Comet”、過去の曲なら”ocean eyes”にさかのぼり、ビリーの声の美しさと表現力の豊かさ、そこから湧き出るエモーションが心に突き刺さった。かと思えば、「この曲はこういうライブで盛り上がるために作ったんだよ」と”Oxytocin”などで会場全体が飛び跳ねていたりしたけど、曲としてはいかにも飛び跳ねるための曲というには複雑なのも素晴らしい。

圧巻だったのは、最後に演奏された”Happier Than Ever”。以下はテレビでのパフォーマンスだけど、こういう雰囲気。静かに始まりながらも、最後に抑えきれなくなった感情が激しき叩きつけられる。アルバムの中においても稀有な瞬間で、ハイライトだ。観客にとっても彼女にとっても、全てを出し切ったと思えるような非常にカタルシスのある体験で、ライブが締め括られた。

ライブ中にも「私はこのフェスに2018年に出たんだけど(大歓声)覚えてる? みんなが来てくれて本当にびっくりして、私が一番好きなライブだった。でも今日は、それに続くまた私が一番好きなライブだと思う」と語っていた。

2)ポスト・マローン

ポスト・マローンは、3日目の感動的な大トリだった。ステージには、Young ThugからRoddy Ricch、”Rock Star”では21 Savageもステージに登場し、とにかくこの場を盛り上げるためなら全てやり尽くすというノリ。

本当はもっとやりたい曲もあったようだけど、時間が足りなくなったみたいで、「ここで音を切られてしまうかもしれないけど、でも、この1年半みんな辛かったよね。時間さえあれば、1人1人にこう言ってあげたい、”Conguratulations”!と。この曲を演奏しないと終えられない」と言って最後に演奏し、ライブを終えた。とにかく花火も上がりまくるし、3日間のフェスを締めくくる素晴らしい内容だった。

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シカゴのロラパルーザのヘッドラインでも観たけど、今回はさらに良かった。彼は、俺がいかにダメなのかを強調するルーザーなメンタリティでライブをやるので、久しぶりにフェスに来て楽しんではいるけど、でもこの1年半不安で精神的に打ちのめされていたファンが共感しやすい。そこからいかに負けずに這い上がるのか、頑張るのかという曲が、だから異様な感動をもたらしてくれるのだ。

これで明日からまた頑張れると思えるようなライブだった。何しろ、もう夏も終わったのに、ピンクのボーダーのTシャツにキティちゃんだったのも最高だ。

3)エイサップ・ロッキー、ミーガン・ジー・スタリオンの2日目。
エイサップ・ロッキーとミーガン・ジー・スタリオンが出演した2日目が最高の盛り上がりだったというレポートがされていたのだけど、実は私はこの日は残念ながら、グローバル・シチズンでまたビリー・アイリッシュを観ていたので観られなかった。

https://www.instagram.com/p/CUQ7dC9LChP/
https://www.instagram.com/p/CUYirwJDa7h/

この日は、フィービー・ブリッジャーズも観逃したのも痛かった。

4)ドミニク・ファイク

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個人的に、ようやくライブが観られて感涙だったのが、ドミニク・ファイク!タイミングが合わなかったり、ロラパルーザでは出る予定だったのになぜか来なかったりで、何度も観逃していていたのだがようやく観られた!もっとレイドバックしたライブなのかと思っていたら、想像以上にピリピリしていてそこがさらにカッコ良かった!

全体としても、長年来ていたフェスに久しぶりに戻れて感涙だったし、野外なので、自分で心地良い場所を選んで観られる。観客は20代が中心で非常に若かったけど、でも、ガバナーズ・ボールは、すでに10回も行われているということもあり、安全で観客が思い切り楽しめる空間をしっかりと作ってくれていた。ガバナーズ・ボールありがとう!



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