日曜日のNYタイムスマガジンにてなんと15ページにも及ぶビートルズの大特集。内容は、このビデオ・ゲームになることによりビートルズがいかに21世紀カルチャーとしてトランスフォームしたのか、ということ。ポール・マッカトニーやオノ・ヨーコの発言も掲載され、そもそもゲームしてよいのだろうか?という論議が展開したところから完成するまで、制作の様子などが事細かにレポートされている。
「僕とジョンが曲を作り始めた頃はカセットテープなんかなかったから、とにかく自分達で覚えていなくてはいけなかった。それがカセットができ、2トラックの代わりに4トラックが使えるようになり、そこからステレオに発展ーー2倍大きな音になって、最高だと思ったんだ」。そして、CDが誕生し、デジタル化され、そして今ビデオ・ゲームになろうとしている。「それぞれ、それほどの違いはないと思うんだ。究極的には、そこにあるのは曲だから。音楽だから」と、ポールはコメントしている。
ヨーコは、このゲームがフィジカルな面でビートルズに新たな広がりを与えることがいいでのはとし、「ダンスみたいな感じか、またはさらに強い活発なメディテーションのようなもの」と語っている。さらに、「音楽自体はそもそもすごく強いパワーを持っているけど、それがそれぞれの人の中に入ことでさらに強いものになるから」とも。
オリビア・ハリスンは、何年か前にロック・バンド(ゲーム名)をやってみて「まるで音楽を自分が作っているように感じた」と語っている。ダニー・ハリスンはこのゲームが発売された時から普通の人達と同じように遊んでいたのだそうだが、当時はギターだけだったものを、「これはもっと楽器を増やすべきだ」とゲーム会社に提案したそうで(現在はドラムもヴォーカルもある)、それがビートルズのゲームに発展していったのだそう。
音作りは、ジャイルズ・マーティンがアビー・ロードで行ったそうだが、その苦労話もすごい。例えばライヴ・パフォーマンスのチャプターで使われる”Paperback Writer"。なんと日本武道館で録音された音源を当初使おうとしたらしいのだけど、よいサウンドではなかったらしいのだ。だから、スタジオ・バージョンを使って、その上に観客の声を重ね、しかしスタジオ・バージョンだとフェイド・アウトするので、最後だけライヴ音に差し替えたのだそう。しかし、アリーナで演奏したサウンドとしてはそれだとドラム・サウンドがつぶれた感じに聴こえるので、曲の中の一番音の大きな部分は下げて、小さな部分はそのままにして全体的に均等に聴こえるように調整……というようなせめぎ合いが永遠に行われている。最終的には「これはアーカイブ作りではなくて、ゲームなんだから。エンターテイメントなんだから。それを最初からやろうとしているわけだから、人が楽しめるものを作るべきなんだ」という結論に。
さらに映像作りの苦労話も。ヨーコが「ジョンが演奏している時はジョンがその空間を支配しているように見えないと」とかジョンが一番盛上がって演奏している時の顔はこれじゃない、などと言ったそうで、制作者はかなり大変だったようだ。
リンゴは実際ゲームをやってみたら全然できなかったそうで「子供達はどんどん上手くなっていくけど、だからって彼らが明日アリーナで演奏できるわけじゃない」。ここから本当に音楽に興味を持った子達の何人かが実際にギターを演奏し始めてくれるのでは、とも。
ポールは、ゲーム体験を、「ビートルズが何なのかをある意味象徴していると言えると思うよ」「僕らは、リアリティと神話の間にいたんだ」と語っている。
ゲームはリマスターと同時に9月9日世界発売される。これまでこのゲームは30億ドルの利益を上げている。が、最近はすごい勢いで売り上げが落ちているそう。私も当初は夢中になっていたが、最近は飽きてしまった(家にあるわけではないですが)。しかしビートルズ版の発売で、これまでやったことになかった人達も始めるのでは、と。
写真は友達の家にあったビートルズのバブルヘッド。アンティーク・ショップで買い、帰って見てみたら、なんと64年の日本製だったのだそう!ウールワースというスーパーで、オマケとして配られていたそうのだが、それにしてはすごく丁寧に作られている。さすが日本!いくらだと思うと聞かれて「60ドル?」と言ったら、がっくりきていた(笑)。ケタが2つ違いました(汗)!