『マッドメン』にマッドネス!

『マッドメン』にマッドネス!


以前も紹介させていただきましたが、最近アメリカのTVドラマで最も好きな番組のひとつ、『マッドメン』の第3シーズンが日曜日に始まった。『ポニョ』が掲載されたNYタイムスのど真ん中に超グラマーなお姉さんがいたと思いますが、彼女も出演しているドラマ。60年代のNY広告代理店を舞台にした物語で、アメリカのドラマにしては、刑事ものでもないし、病院ものでもないし、コメディでもないし、増してやHBOという日本で言えばWOWOWみたいな追加料金を払って見る特別チャンネルでもないのに、ドラマとしてこれが何から何まで素晴らしくよくできているのだ。主役は、その広告代理店の斬れ者、ダン・ドレイパー。絵に描いたように美しく完璧な家庭があり、しかし浮気もばりばりしていて、さらに酒も飲めば、タバコも吸いまくる。しかし熱血というのではなくて、むしろその逆。人生どこか冷めきっている。それは彼の人格に問題があり、そしてその理由もあるのだが。


外から完璧に見えるものが、中から崩壊。簡単に言えば、ディカプリオとケイト・ウィンスレットの『レボリューショナリー・ロード』がやりたくてできなかったことがここにはある。しかも、その背景で歴史的なできごとができる限り忠実に描かれているのもまた面白い。第一シーズンの最初のシーンから思い切りみんなタバコ吸っていて、それだけでもびっくり……というか、それってTVで放送していんだっけ?というくらい、アメリカでは映画のみならずお茶の間からタバコは排除されているので、それ以外にも時代が変わったことによるモラルの変化やタブーが連発し、ドキッとする。カメラワークも素晴らしいし、出演している女優が全員超グラマーなのも今の流行とは違う。セクシーでエレガントで知的……というクサいコピーみたいになってしまいましたが、各誌絶賛。しかし、トーンが思い切りもの静かで、やはりTV番組としては一般的ではない。メディアは絶賛し、エミーやゴールデングローブなど多数受賞しているのだけど、視聴率はとりあえずカルトという感じだったのだ。しかし、第三シーズンのプレミアは番組史上最高だったよう!まあ、最初から見ないと絶対意味がわからないと思うんだけど、日本でもCXで放送しているようです。DVDもレンタルしているみたいです。どうぞチェックしてみてください。


週末は『ディストリクト9』というこれまた素晴らしいSF映画も公開。さっき観て来たので明日レポートしますが。夏のバカ騒ぎが終わりつつある気がします。NYマガジンがこれについて面白いことを書いていた。「先週『GIジョー』がぶっちぎりの55ミリオンドルという興行成績を上げた時、ほとんどカナダに逃げたい気分になったけど、まだ希望はある!!今週はレビューも最高の『ディストリクト9』が興行成績1位を獲得しただけでなく、昨日の『マッドメン』プレミアは番組史上最大の視聴者280万人を獲得したのだから。ナイス、アメリカ!やればできるじゃん!!」と。こういうジョークさすがNY。好きです。
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