PTA新作はサイエントロジー?!

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傑作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続く待望の新作で、ポール・トーマス・アンダーソンは宗教を描くようだ。タイトルは今のところ”THE MASTER"で、主演は常連、フィリップ・シーモア・ホフマン。彼が演じるのは52年に新興宗教を創始するカリスマで、物語は後に彼の右腕となる若き放浪者Freddieとの出会いについて。Freddieは徐々に、彼が信じるその”THE MASTER" と宗教に疑問を持ち始めるそうで、そこからのふたりの関係性が軸になるようだ。ううう、考えただけでも、ぞぞーーーーーーーっとくる。面白そう。


Variety誌によると物語の内容は「自分より高い位置にいる何かを信じなくてはいけないその必要性や、どの宗教をどう選ぶのかということや、どういう信仰が宗教に発展していくのかなどを探求したもの」だそうで、サイエントロジーやモルモン教などの新宗教をさす訳ではないとのこと。とは言えフィリップ・シーモア・ホフマンはサイエントロジーの創始者によく似ているし、またサイエントロジーが創始されたのは、52年だ。


実は、ポール・トーマス・アンダーソンと『パンチ・ドランク・ラブ』でコラボレーションしたビジュアル・アーティストJeremy Blakeとガール・フレンドのTheresa Duncanは07年に奇妙な状況で自殺を図り、それについてVanity Fair誌に実に不可解なレポートが掲載されたことがあった。なんとも後味の悪い記事だったので私も記憶に残っているのだけど、その記事によるとふたりは信者ではないが、その死にサイエントロジーが関わっていたというもので、しかも実はベックの名前なども出てくるのだ……。ベックは関与は全面否定しているし、そこに何か関係があったと思いたくもないので、敢えて詳しい内容はここでは書きませんが。


映画の内容自体は、その友人の死とはとても遠い気がするが、それがきっかけのひとつだったとは考えられる。この作品には、『マグノリア』のように、トム・クルーズのカメオ出演がないことは確実でしょう。どちらにしても微妙なテーマなので(ハリウッドにはサイエントロジー信者も多いし)、制作のユニバーサルは脚本が完全に完成するまで撮影許可をしないそうだ。前作の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でも宗教は重要なテーマのひとつだったけど、今回はよりミクロに突き詰めることで、マクロな世界を暴くものになるということだろう。
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