いくらトレント・レズナーが批判しようと、私がヘトヘトに疲れようと、グラミー賞の視聴者数は、去年に比べて35%もアップしたそうだ。3年前どん底になって以来、去年、今年と上がり続け、過去6年で最高。実はゴールデン・グローブも下がり続けていた視聴者数が今年11%上がった。アワード番組の視聴率は、昨年、ウェブを巻き込んだりして、各番組大きなテコ入れを図ったおかげで、オスカー、エミー、グラミー、トニー、カントリー・ミュージック・アワードなど、軒並回復したのだそう。
トレント・レズナーが面白かったのは、グラミーの翌日にtwitterで「スタジオ入り正式初日」を発表したこと。敵を見定めたということなのか?実はトレントも文句言いながらがっつりグラミー見ていたんじゃないのか?
そのトレントと今年のオスカーには実は深いつながりがある。覚えてないと思いますが、さよならツアーのひとつ前、”Lights in the Sky"ツアーをジェームス・キャメロンの3Dチームが撮影/劇場公開の可能性があったのだ。レコード会社に資金繰りについて相談したのが失敗で実現しなかった、とトレントはがっくりしていたが。実現していたら今頃……今頃なんだろう……キャメロン応援歌を書いていたかも……いや書いてるわけない。
オスカー・ノミネーションはほぼ予想通りだったけど、『District 9』がノミネートされて嬉しい。でも、ここから先は『アバター』VS『The Hurt Locker』ということになる。商業VSアート、とまでは言わないが、なにしろ、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の頃は視聴率最低だったわけで、作品賞が突然10本に復活した理由のひとつももちろん視聴率回復にある。『The Blind Side』が作品賞にノミネーションされた理由もそこにあると思うし。もちろん視聴率のためだけにアカデミー会員6000人の票は簡単には操れないと思うけど。あとは、どれだけの人がジェームス・キャメロンのスピーチを聞きたくないのかだ(笑)。ゴールデン・グローブでは「僕らの仕事は世界一」ですんだけど、なにしろ、『タイタニック』で監督賞を獲った時は、ディカプリオの映画内での台詞を引用して「I AM THE KING OF THE WORLD!!!!!(俺は世界の王だ!)」と言ったのは有名だから(汗)。
キャメロンはノミネーションを受けて、さっそくコメントを出していて、「僕は前回失敗したから、今回は獲らないと思うよ」と言っている。”失敗”ってこのスピーチのことなのか?さらに「Kathrynが獲ると思う。Kathrynなら納得。でも他の人なら許さない」と(笑)。
私の個人的な希望としては(笑)、作品賞は『アバター』で、監督賞はKathryn。作品賞でスピーチするのは、監督ではなくてプロデューサーだから。まあどうせプロデューサーはビビって、キャメロンに途中でマイクを渡してしまうと思うけど、でも時間は短くなる……って、スピーチを中心に選んでどうする!(笑)。