オスカーの切符ゲット?!トロント映画祭観客賞が決定!
2010.09.21 09:00
トロント映画祭の観客賞が発表された。選ばれたのは、トム・フーパー監督の”THE KING'S SPEECH"だった。この作品は早くからアカデミー賞ノミネーションが噂されていた作品だが、トロント映画祭の観客賞を獲った作品は、例えば去年だったら『プレシャス』、その前の年は『スラムドッグ$ミリオネア』と、アカデミー賞にノミネートされただけでなくオスカーをゲットしている!
例えばカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品が2008年『パリ20区、僕たちのクラス』で、去年は『白いリボン』。ヴェネチアの金獅子賞が、2008年『レスラー』で、去年は『レバノン』であることを考えると確率的には、トロントの観客の決定が、どんな審査員の決断よりもオスカーには近い。別にオスカー獲れば偉いというわけではないけど、自分でお金を払って映画を観た人たちの判断は、シビアかつ正しい。アートと商業のちょうどバランスが取れた作品を選ぶと言えるんじゃないだろうか。
ちなみに、今年のカンヌは『LUNG BOONMEE RALUEK CHAT』(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)、ヴェネチアは『SOMEWHERE』(ソフィア・コッポラ監督)が大賞に輝いている。
”THE KING'S SPEECH"は、エリザベス女王の父親であるジョージ6世が、言語障害を克服して演説を行うまでを描いた物語。時代物ではありながらも、物語はその一点に焦点が置かれているので、誰でも共感しやすく、感動的で、思わず涙が出てしまう作品だ。主演のジョージ6世を演じるコリン・ファースは、去年トム・フォードの『シングル・マン』で主演男優賞にノミネートされたばかり。妻役のヘレナ・ボナム・カーターも素晴らしい演技で、この作品は、うまくいけば、作品賞、監督賞なども含め総合的にアカデミー賞にノミネートされるかもしれない。もちろん今後どんな素晴らしい作品が公開されるかにもよるのだけど。