村上春樹とフリート・フォクシーズとスフィアン・スティーヴンス

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ロッキング・オンが校了した途端もうカットが始まっているんだけど、ちょっとの隙に村上春樹のインタビュー集『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋刊)を読み始めた。そこに、音楽シーンにも通じる話があって面白かった。持ってる方はページ136。

「今の世界が経験していることは」「再編成」であり、それのための「いちばん深刻な問題は」「混沌の中に呑み込まれて」「方向がわからなくなっている」こと。そして、そこで有効になるのは、「物語性」であるということ。村上春樹が考えるには、ということですが。

それで、村上春樹が目指したいと思っているのは、例えばブリューゲルの絵のようなもので、小さい物語をいくつも描いて重ねることで、大きな絵を描くということ。しかし、その小さい絵ひとつひとつにいろんな人の姿を描き込む力がなかったら、大きな絵はできない。と。ページ141に。

このインタビューは、文学界の2003年4月号に掲載されたインタビューで、フリート・フォクシーズのロビンは、村上春樹好きですが、偶然(?)、デビュー作のジャケットがブリューゲルだなあ、と思ったのと、アルバムの発売は2007年だけど。

また、小さい絵にひとつひとつ色んな人の絵を深く描く力と言ったら、スフィアン・スティーヴンスの『イリノイ』とか『ミシガン』って正にそういう試みだなあと思ったのと。それはちょうど2003年2005年に発売されたアルバムなので、シンクロしてると思ったのと、でも、スフィアンは今その物語には、もう疲れて、というか、それはさらに崩壊して、意識は宇宙へ、しかし描くのは自分の体内の神経とか脊髄とか心臓に移ってしまった、ということを最新号のインタビューで語っているので、ぜひ読んでください……ってどんなオチだ。しかし、村上春樹も言ってみれば、自分の体に関係した、マラソンのエッセーを書いていて、あれは、ここ数年で個人的には一番面白かった。

あ、その後サーフィンの話も出てくるのです!ちょっと主旨は違うけど。

そういえば、最新号のスフィアンの取材始末記で、ヒップスターはみんな痩せてるのに、体を鍛えていてちょっとアンバランスな時代遅れ、みたいなこと書いちゃったのですが、なんと、数週間前のNY TIMESに、エディ・スリマンが流行らせた体脂肪ゼロのスケボー少年はもう時代遅れ。今は不景気だから、しっかり体を鍛えて、スーツをびしっと着て就職の面接に挑むような、現実味のあるモデルが主流なのだと書いてあったのだ!つまり、スフィアン最先端だった(笑)。というわけで支離滅裂ですが、すいません。最新号ぜひ買ってください!(笑)
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