The Decemberistsなんと全米1位!&ビーコン・シアター

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今週のビルボードでなんとThe Decemberistsの新作『King is Dead』が1位を獲得した!快挙。

ちなみに売り上げ枚数は、94000枚で、前作の『The Hazard of Love』は、1週間で19000枚の売り上げだったので、バンドとしても最高の売り上げを記録。

その最中、彼らは現在NYのビーコン・シアター(キャパ約3000人)で3日間ソールドアウトショーを行っているところ。その中日である2日目を1月25日に観て来ました!

いきなり10分の曲でライブは幕開け。これまで日本の民話『鶴の恩返し』をテーマにした”プログ・ロック”アルバムを作ったり、『The Hazard of Love』では、いきなりロック・オペラへと、常に文学的な超野心作を、まるで何の苦労もなく作ったかのように発表してきた彼ら。しかし、最新作ではいきなり3分間の彼らのキャリアの中では最もシンプルな曲ばかりを作ったのだ。

この作品の素晴らしいところは、これまでそんな野心的なコンセプト・アルバムが批評家に絶賛される一方で、もうお腹一杯、という声に対する、返答であること。つまり、彼らは野心的な大作を作ることが目的だったわけではなくて、単に素晴らしい曲を作ることが目的であったのだ、ということを示してみせたのだ。彼らのキャリアにとって今絶対に必要だったアルバムをここでしっかりと作り上げた。

イギリスのフォーク・ロックの影響から離れ、今作では、よりアメリカーナ、ルーツ・ロック、フォーク・ロック、のサウンドに絞り、かつてはREMが見事に蘇らせたそのサウンドに挑戦。だからピーター・バックがこのアルバムに参加しているのだ!そして思い切りREMっぽい曲もある。

前作のライブでは、着ぐるみまで着て大コンセプトをステージでも展開してみせた彼らだが、今回はシンプルに、ジャケットと同じく森の影が背景に映し出されただけ。最新作は3分間のコンパクトにまとまった曲が並ぶが、彼らのキャリア全般に及ぶ曲をこうやってまとめて聴くと、その世界観は、よりシンプルになったというよりは、おかげで、より風通しよく、大きく広がったとしか言えない、観客も大盛り上がりの素晴らしいライブだった。前座のWye Oakも相当良かった。

ボーカルのコリンが大のスミスファン。『The King is Dead』が、『The Queen is Dead』へのオマージュという裏コンセプトがあるのかどうかは今のところ定かではない……。

The Decemberistsは今年の夏フェスに大量に出演する。

関係ないけど、NYは今日から大雪。
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