東京カランコロン『UTUTU』全曲カウントダウンレビュー その5:ビバ・ラ・ジャパニーズ

東京カランコロン『UTUTU』全曲カウントダウンレビュー その5:ビバ・ラ・ジャパニーズ

東京カランコロン『UTUTU』、1月14日リリース!
発売日まで1日1曲ずつ、全曲をレビューしていきます。
あと9日!


5. ビバ・ラ・ジャパニーズ

外国人の会話から、おいたんによるギャンギャンのギターリフへ。最初から最後までマッチョな音が鳴り響き、いちろーのハイトーン(1番終わりのシャウト!)もかみむー氏のタムロールも(好きなんです、彼のドコドコ叩いている感じ)も冴え渡る、東京カランコロン的ハードロック・チューン。これまでもいろいろな曲を作ってきたのでその幅の広さには驚かないつもりだが、しっかし引き出し多いなこいつら。

王道バラードである“ヒールに願いを”に続いてこれが聞こえてくるとさすがに笑いがこみ上げてくる。でも不思議なことに、聴き終わるころにはそのインパクトとは違う部分で心に刺さっているのだ。ステレオタイプな日本人のイメージを並べ立てつつ西洋へのあこがれをあからさまに表明する歌詞の内容といい、このサウンドメイキングといい、はっきり言って今流行るタイプの曲やテーマではないし、たぶん本人たちもそれを踏まえた上でここまで振り切っているわけだけれど、ただの遊びの曲かと思いきや(半分はそうだと思うけど)、最終的には結構深いところまで行っている。

この曲はたまたま「西洋」と「日本」の対比として描いているけど、それはそのまま「理想」と「現実」と言い換えることができる。で、そのあいだにある壁にぶつかって悩んだり苦しんだりするわけだが、この曲はパッカーンとその壁を突き抜けている。だからこういう振り切った曲になったのだろう。だって日本人だもん、ジャパニーズバンザイ!というこの曲の結論は、アホっぽいし皮肉っぽいしネタっぽいが、いちろーという人のことを考えると、じつは意外と画期的かもしれない。


明日は6曲目 “△□”について書きます。
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