2月17日リリースのKANA-BOONサードアルバム『Origin』。その発売に向けて、収録曲を1曲ずつレビューしていきます。
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2. 机上、綴る、思想
イントロからアウトロまでフルパワーで突き進む小泉貴裕のドラムと、アンサンブルの一番底で時に歌メロとユニゾンしながら動きまわる飯田佑馬のベースラインが聴きどころ。一方で歌詞はヒリヒリした孤独な感情が切れ味鋭い筆致で刻んでいく。“ウォーリーヒーロー”や “レピドシレン”に通じる、感情内部爆発系ソングである。
この“机上、綴る、思想”と“オープンワールド”、オープニング2曲だけでKANA-BOONのバンドアンサンブルが根本的に変わったことが分かる。つまり、一枚の絵として整理された音の配置よりも、バンドとしてのぶつかり合い、音と音の摩擦がとんでもない熱量を生み出しているのだ。とくにこの“机上〜”はシンプルな構造の曲だけに、バンドのエネルギー感がダイレクトに伝わってくる。