くるり“Remember me”の素晴らしさについて誰かと語り合いたい
2013.09.20 13:41
結構マジで、この1曲で朝まで呑める。呑もう。
9月30日発売のJAPANで久しぶりに岸田繁のインタヴューが載るが(その時の様子は山崎トリプル編集長がアップしています→http://ro69.jp/blog/yamazaki/88577)、
その中で岸田はこの曲について「新しいことしてないし、あの曲は今までの引き出しを使って作った」というふうに語っていて、それはその通りだと思う。そもそも最新曲というわけでもないし、今のくるりのモード(インタヴューの話題のメインはこっちで、それも非常におもしろいのでお楽しみに)を体現しているということでもないし、NHKの番組タイアップを前提に作られた曲だし。
ただ、いい曲なのだ。ほんとにいい曲。それだけ。
くるりはその時々の気分やモードでガラっとバンドを更新し、それによって前に進んできたバンドだが、そういう流れとは関係なく岸田の引き出しから生まれちゃった名曲というのがある。でもじつは『坩堝の電圧』にはそういう曲がなかった。びしーっと、そのときのくるりのモードで統一されたアルバムだった。それが悪いというわけではなくてむしろ聴いていてわくわくしっぱなしだったわけだけど、その猪突猛進感とは違うところで、ソングライター岸田がのびのびと音楽に向き合っているこの感覚、久しぶりだなあと思う。
あと、誌面でも書いたが、歌詞の豆腐屋のおじさんのくだりが秀逸で涙がでる。時間も距離もぎゅーっと圧縮されて、あらゆるパースやベクトルが消えて、今にすべてがある、「さよなら」が「さよなら」じゃなくなる、というような幸福な感覚におそわれる。ポップ・ミュージックの普遍性ってそういうことなんじゃないか。
というようなことを語り合いたいです。
くるりがここからどこにどういうふうに向かうのかはわからないけど、とりあえず、この名曲を祝いたい。
でも誰と。
『Remember me』、10月23日発売です。初回限定盤15周年アニバーサリーボックス仕様の詳細も発表された。ジャケがまたきゅんとするんだ。
というわけで、今週日曜は京都行ってきます。音博です。
写真は取材時、弊誌プレゼントコーナーのためにロックンロールTシャツを着用の岸田。