【速報】the pillows、ロックンロール全開! ツアー序盤の赤坂BLITZを観た
2016.05.15 22:05
いやあ、やっぱりすごい。反骨音楽としての不屈のエモーションと、ライフタイムロックンロールとしての伸びやかなタフネスと、リリカルでロマンチックなポップミュージックの輝度と色彩感…一見別ベクトルのそれら要素をごく自然に共存させるだけでなく、その全部のパラメータの最高値を一気に叩き出すような圧巻のバイタリティ。個人的にかれこれ20年近くピロウズのライブを観てきたけど、今夜観たライブは90年代とも00年代とも違う熱量で、しかも過去最高レベルに自分の身体と心をパワフルに満たしてくれるものだった。
アルバム『STROLL AND ROLL』を携えてのツアー序盤、赤坂BLITZ公演。かつてのグランジ/オルタナ系の衝動炸裂感ではなく、ロックンロールモードの開放感でもって極限爆走するようなステージングはどこまでも痛快だったし、いよいよ磨きのかかった山中さわおの絶唱は終始ツアー序盤とは思えないほどの突き抜けるような高揚感を生み出していた。
昨日Theピーズのドラマーとして下北沢Queのイベントに出てシナロケ“レモンティー”を歌っていたという佐藤シンイチロウは、観客のコールに応えて“レモンティー”をシャウトしていたり(真鍋吉明のギター伴奏つきで)、MCでやたらと「省エネ」を強調していたりした。一方、真鍋は真鍋で「何度もBLITZに出ているが、通用口がわからなくて迷った」と明かしてフロアを沸かせたりしていた。が、そんなリラックスした場面も含めたすべてがロックンロールの原動力になっていくようなマジカルな磁場が、結成27年目のピロウズには確かにある。
6月にO-EAST、7月にファイナルZepp Tokyo、とさらにこのあと2本の東京公演が控えている「STROLL AND ROLL TOUR」。果たしてどこまで高まっていくのか? 今から楽しみだ。(高橋智樹)