新宿MARZで行われた、FULLARMORの9年ぶりの東名阪ツアー、その初日を観た。

ドミコは、ギターとドラムという2ピースながら、ソリッドなギターテクとパワフルなドラムという厚みのある音楽で、存在感たっぷりのパフォーマンスを見せた。

entでは日向秀和がベースで助っ人として登場。エモさ溢れるentの音楽と歌声は、ライブハウスを鮮やかに彩り、心地の良い空間へと誘う。

そしてFULLARMOR。ライブとしては約2年ぶりとのこと。しかし、ブランクが空いているとは思えない一体感と迫力。各々別のバンドで活動しているというのもあるが、それぞれ個性の違うバンドなのに、FULLARMORという場所ではそれが混ざり合い、何層にも深い音楽となる。
MCでは、お互いツーカーの感じで緩く進むのに、曲になると研ぎ澄まされたプレイをガンガン出していくのは、やはりFULLARMORという場所も一バンドマンとして刺激しあい、ゴリゴリの音楽をぶつけ合う場所なのだろう。自由な場所なのに、ライブはまさに甲冑のような重みと確かな堅さが感じられた。
日向がギターを弾くさまは新鮮味を感じるが、完熟したライブを観ていると、決して腐ることなくずっと旨味をためこんだ果実を味わうような感覚だった。

すごいライブを観た。観終わった今もそんな感覚に囚われている。(中川)