スティーヴ・アオキ! ファットボーイ・スリム! パーティー!

スティーヴ・アオキ! ファットボーイ・スリム! パーティー!

昨日、幕張メッセでスティーヴ・アオキとファットボーイ・スリムのパフォーマンスを観てきたんだけど、とにかく盛り上がりがすごかった。
スティーヴ・アオキは現在、ノリにノリまくっているパーソナリティなだけに、とにかく終始アゲアゲのセット。
音量が笑ってしまうほどラウドな中、お約束のケーキ投げや、ゴムボート乗りを次から次へと披露し、世界最強のパーティー野郎っぷりを遺憾なく発揮。
しかも、オアシスの“ワンダーウォール”、みんな大好きなホワイト・ストライプス”セヴン・ネーション・アーミー”、ニルヴァーナ”スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”といった、あまりにもベタベタなロック・ネタを躊躇いなく連発していたのも爽快すぎる。
無条件に踊らされる、とはつまりこういうことだろう。

逆にファットボーイ・スリムは、スタイリッシュな映像を含めた総合エンターテインメントで攻めまくる、成熟したセットを披露。
みんなが求めているフェイヴァリットを絶妙に織り交ぜたセットを攻撃的かつ丁寧に展開していく様はさすがヴェテランという感じ。
物語性がちゃんとあるセットは最後まで楽しめた。

面白いのは、ふたりとも時代を切り開いたパーティー・ピープルだが、互いにそのルーツがロックにあること。
ファットボーイ・スリムことノーマン・クックは80年代、インディ・バンドのThe Housemartinsのベースとして活躍し、スティーヴ・アオキは忘れられがちだが、彼の運営するレーベル、DIM MAKはもともとポスト・ハードコア/ポスト・パンクなどをリリースしていた。
特にスティーヴ・アオキは今のイメージとは180度違うほど、当時のアングラ・シーンには欠かせない存在で、最近、その恩恵を受けたCave InのStephen Brodskyがそのことについてのエッセイ(90年代末のシーンにとって重要な存在だったスティーヴ・アオキが、今となってはEDMを代表するDJになった変貌についての考察)を投稿していたりして(http://thetalkhouse.com/music/talks/4022/)、その変わりっぷりはかなり不思議。
This Machine Killsという、日本のENVYとコラボ作を作るなど、かなり硬派でアングラな活動をしているバンドを率いていたし。

実は、00年代初頭、当時ロッキング・オンで連載していた音楽業界の人に話を聞く『NMW』というコーナーでDIM MAKの経営者としてのスティーヴ・アオキにインタヴューしたことがある。
そのときはヤー・ヤー・ヤーズやブロック・パーティーなど、わりとビッグなインディ・アーティストとも契約していて、レーベルも順調だったが、とにかく彼の熱い音楽愛にやれれた。
そして、なんとそれから約10年後、今度はEDMの覇者としてスティーヴ・アオキにインタヴュー(ライヴ前、電話にて)。
以前とはまるで違うようでいて、その熱い音楽愛はまったく変わってませんでした。
当時の活動もちょっと振り返ってもらったそんなインタヴューは現在制作中の11月1日発売号に掲載します!(内田亮)
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