デュラン・デュラン恐るべし…と思わずひれ伏す新作『ペイパー・ゴッズ』

デュラン・デュラン恐るべし…と思わずひれ伏す新作『ペイパー・ゴッズ』

デュラン・デュラン恐るべし…と思わずひれ伏す新作『ペイパー・ゴッズ』
本日発売されたニュー・アルバム『ペイパー・ゴッズ』はとんでもない作品だ。
マーク・ロンソンをプロデューサーに迎え、ナイル・ロジャースやジャネール・モネイ、ミスター・ハドソン、カイザ、ジョン・フルシアンテなどを招いた、超豪華なカオティック・ダンス・パーティー。

「今、一番斬新でカッコいいもの」を、常に、ミーハーなまでに貪欲に追い続けたバンドの勝利といってもいい。

ロックという半ばトラディショナルになりつつある音楽の中に、モダンな要素をどう取り込んでいくか、というバランスはどのバンドにとっても大きな課題だし、
新しさに執着することで逆に古さが際立ったり、ダサくなったりするミュージシャンの方が圧倒的に多い。
だから、いつも危ない橋を渡ろうとするデュランは傍から見ていてちょっとヒヤヒヤする時もある。

しかし彼らは、まるでミッション・インポッシブルみたいに、あり得ない発想とアクロバティックな反射神経で、リスナーをあっと言わせてしまうのだ。
今作は、まさにその真骨頂だと思う。

なぜそんなことがでるきかと言うと、デュラン・デュランはロック・バンドでありながら(ニュー・オーダーやケミカルらとは違った意味で)ダンス・ミュージックの達人でもあり、
また、一見チャラく聴こえなくもないサウンドや歌やグルーヴは、他のバンドには決してない個性とクセの強さを持っていて、確固たるデュランらしさに貫かれているから。

デビュー・アルバム『デュラン・デュラン』のアナログ盤を買った時、
「ニューロマ・ダンスを一緒に踊ろう!」みたいな大判のダンスステップ・マニュアルが付録についていてびっくりしたが、
その頃から彼らはダンス・ミュージックのユニークな展開を目論んでいたし、
その後、“レッツ・ダンス”のナイル・ロジャースをプロデュースに招いたのは周知の通り。

一方で、本編ラスト曲“ザ・ユニヴァース・アローン”のような壮大なバラードで締めくくるの王道デュランぶりも、とてもいい。
デビュー・シングル“プラネット・アース”ともテーマがリンクしていて、
デヴィッド・ボウイの“スペース・オディティ”と、その後日譚“アッシュズ・トゥ・アッシュズ”との流れを彷彿とさせたりもする。

紙(ペーパー)と神(ゴッド)、日本語だとダジャレみたいな同音意義語のタイトルで、くすっとしてしまうが、果たして意図してるのだろうか……?

次号ロッキング・オン11月号では、いかにしてこんな快作が完成したのか、ジョン・テイラーへのロング・インタヴューも掲載するので、ぜひ読んで欲しい。
インタヴュアーは、粉川しのさん。

また、今月号誌面「WATCH THE ROCK」でも粉川さんと対談してますが、
9月20日(日)午後3時から、WOWOWの「洋楽主義」でもデュラン・デュランが特集されます。
懐かしいMVはもちろんエクスクルーシヴ・インタヴューも放映されるので、こちらもチェックを。(井上貴子)

ストリーミングはこちら。
http://consequenceofsound.net/2015/09/stream-duran-durans-new-album-paper-gods/

“プレッシャー・オフ(feat.ジャネール・モネイ)”360°リリック・ビデオはこちら。
Google Chrome/Mozilla FirefoxブラウザもしくはYouTubeモバイルアプリからアクセスし、画面上のカーソルやマウスを前後左右に動かすことで、あらゆる視点からリリック・ビデオを楽しむことができるそうです。
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