DAVID BOWIE is 「COMING」が、「NOW」と「HERE」に変わった時の喜び。
そして今日、サイトでのカウントダウンが「あと○時間」と刻々と変わっていく状況に緊張している。
今、そこに入る言葉はなんだろう。
「MOVE ON」? 「LODGER」? 「BUT I NEVER WAVE BYE‐BYE」…って長すぎだけど。
時間によっては当日券も出るようなので、お早めに。
先日、『★』でグラミー最優秀レコーディング・パッケージ賞を受賞したグラフィック・デザイナー、ジョナサン・バーンブルックが本展でトークショーを行い、その場だけということで、ジャケットの下の、星のカケラのような部分が、ある文字だという秘密を明かした。
「こういう意図ですか?」という質問がファンから本人宛によくあるが、「『正解』と言いたいところだけど、それを言えない」そうだ。
なぜかというと、『ザ・ネクスト・デイ』のジャケット・デザインができるまでの過程を詳しく明かしたこと(ボウイ展にも展示があります)を、「ボウイに怒られたから」だという。
アートというのは、受け手が自由に解釈するものだ、という思想は、ボウイがずっと貫いてきたことだ。
回顧展の入り口にも、アートは読み手によって増幅する、と1995年の彼の言葉が大きく掲げてある。
だから彼の表現はユニバーサルで普遍性を持つ。
そして、『DAVID BOWIE is』とは、そんな禁じられたボウイ作品の種明かしを、エンターティンメントとして見せてくれたとんでもなく貴重な回顧展だったわけだ。
あまりのもたくさんのアイディアやネタやスケッチを観ているうちに、つい忘れそうになってしまったが、バーンブルック氏の言葉は、本展の特別さを改めて思い出させた。
ちなみに彼はこの回顧展のドイツの部屋や図録、イズムなどのデザインも手がけている。
アメリカのシリア爆撃のニュースが報じられる中、“素晴らしき航海”を聴きながら、
常にトレンドだったボウイの、作品としての普遍性を、今また感じている。(井上貴子)
It's a very modern world,but nobody is perfect
It's a moving world,but that's no reason to shoot some of those missiles
この近代的な世界、でも完璧な人間なんて誰もいない
この揺れ動く世界、だからといってミサイルを撃っていい理由にはならない