そうでなくとも、そもそもスペシャルすぎるライブなのだ、これは! ジョン・アンダーソン(Vo) 、トレヴァー・ラビン(G)、リック・ウェイクマン(Key)が、91年ユニオン・ツアー以来、26年振りに同じステージに立つ。
昨年から始まったツアーの、待望の来日公演がいよいよ今日から始まった。
東京は渋谷オーチャードホール3日間、そして21日大阪、22日広島、24日名古屋へと続く。
メンバーは、ルイ・モリノIII(Ds) 、イアン・ホーナル(B)。予定されていたリー・ポメロイが来れないのは残念だが、この貴重な機会をお見逃しなきよう。
サンフランシスコでのライヴの様子はこちら。
http://udo.jp/concert/ARW/articles
ロッキング・オン本誌では、2月号に来日を祝してリック・ウェイクマンのインタビューを掲載。ARW結成までの長い道のりが語られている。
しかしリックはジョンのヴォーカルなしのイエスなど考えられなかったため一緒に抜け、ふたりでアルバムを作ったのだという。
そして3~4年前、トレヴァー・ホーンと3人でランチを食べ、「この3人でプロジェクトをやるしかない」という話になったそう。
とはいえ、スケジュールがびっしりつまった3人の時間をどう工面するか、悩んでいた時、クリス・スクワイアの死が大きな転機となった、という。
「ショックを受けたと同時に、『どうしてもやりたいと思ってることを先延ばしにしてちゃ駄目だ』と思ったんだよ」と彼は語る。
インタヴューでは、クリス・スクワイアの思い出とともに、まだリックが学生時代に“スペイス・オディティ”で参加した、デヴィッド・ボウイとのエピソードも登場する。
『ハンキー・ドリー』制作にあたって、ボウイの自宅に呼ばれた時の逸話が素敵だ。
例えば――
「美しいグランド・ピアノの前に座って、ボウイがボロボロの12弦ギターで『ハンキー・ドリー』に収録する予定の曲を弾くのを聴いていた。
この古ぼけたギターでしょっちゅう彼は曲を書いていて、古ぼけたギターでもいい曲だと思えるということは、上質の楽器が加わればさらによくなる一方だから」など。
ボウイにスパイダース・フロム・マースに誘われた時、なんと前日にイエスに誘われていて、人生の重大な決断を迫られた、という話は何度読んでもわくわくする。
そういえばBBC製作のテレビ番組『デヴィッド・ボウイ 5つの時代』でもリックは登場し、
“ライフ・オン・マース”のコード進行がいかに独自で、優れているかを、実際にピアノを弾きながら説明していた。
Aメロを弾いたあと、あるコードを弾いて「普通だったらこうなるところが、この曲はこうなんだ。そして、その次にくるのが、普通ならこうなるのに、こうなるんだ!」と目をきらきらさせながら魔法の種明かしをするように熱く語っている姿が心に残った。
インタビュー未見の方は、ライブのおともにぜひ。