「(BLM運動と新作の関連について)正直なところ、まったく関係ない。長年、私が感じていたことを曲にしただけ。
どちらかといえばBLM運動は世界中の人が、黒人の人々が軽視されがちな現実にやっと気がついたんだと思っている」
リトル・シムズ『サムタイムス・アイ・マイト・ビー・イントロヴァート』の仕上がりが強烈だ。
19曲にわたり、楽器を基調とした多彩かつ華やかなトラックにタイトル通り自分を見つめ直す内省的なリリックを乗せ、UKヒップホップの新しい境地に到達した。本作の対訳を担当したところ、言葉を重ねた文学性の高いリリックと、聴きまちがいが起こり得ない的確なデリバリーに舌を巻いた。
耳に入ってくるサウンドは心地いいのに、リリックが伝える彼女の葛藤は生々しく、友人の悩みを聞く時のように黙って寄り添いたくなる。俳優業も順調な、ナイジェリア系ロンドン子の彼女に話を聞いた。(池城美菜子)
リトル・シムズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。