文=木津毅
貧困撲滅を目的として設立された組織グローバル・シチズンは2012年からチャリティーのための音楽フェスティバルをニューヨークで開催しているが、「世界市民」という言葉が現在ほど重みを持っている時はこれまでなかったかもしれない。
気候変動の問題はいっそう差し迫ったものとして共有されることになっているし、何より新型コロナウイルスのパンデミックが喫緊の課題として目の前にある。グローバルな視点でこれら諸問題に取り組まねばならないという意識を今、多くの人が持っているのではないだろうか。
『ライヴ・エイド』を例に挙げるまでもなく大規模のチャリティー・イベントは前世紀からもちろん多く存在したが、かつては「“先進国”が“後進国”のために何かやってあげないと」という(やや驕った)意識も強かったように思う。が、現在は先進国(とされる国々)が負う責任を踏まえた上で、世界中の国々や市民とネットワークを繋ぎ、協力し合わねばならないことが理解され始めているように見える。
昨年のオンライン・イベント『One World: Together At Home』を経て、今年グローバル・シチズンはなんと24時間配信イベントをおこなったが、これは世界各都市から数多くのミュージシャンが参加するという意味で、文字通り「地球規模」であることを可視化した音楽フェスティバルとなった。ここでは、豪華アーティストが集った同イベントについてレポートしたい。(以下、本誌記事に続く)
グローバル・シチズン・ライブの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。