2度延期になっていたアヴリル・ラヴィーンの日本ツアーの振替日程が、遂に発表された。11月9日、10日(東京ガーデンシアター)、12日(Aichi Sky Expo〔愛知県国際展示場〕Aホール)、14日(インテックス大阪6号館)の4公演で、大阪公演のみ会場が変更になった。
最新作『ラヴ・サックス』は、アヴリル自身が最高傑作と自負しているだけでなく、彼女のライブのエネルギーを直に反映させたロックアルバムなので、今回のツアーは特に見逃せない。現在ラジオで流れている“ラヴ・イット・ホウェン・ユー・ヘイト・ミー”は、ブラックベアーのメロウなラップとアヴリルのパンチの効いたボーカルが交錯する新ポップパンクアンセムで、“バイト・ミー”と並んでショウのハイライトになる光景が今から目に浮かぶ。
デビュー当時から己の道を貫くことで成功を収めてきたアヴリルは、音楽性からビジュアルまで、年齢や性別に関する社会の暗黙のルールやプレッシャーとは無縁の場所で創作活動を続けている。
ポップパンクに原点回帰した『ラヴ・サックス』はそれが顕著に表れた作品で、彼女と彼女の曲は今も全く丸くなっていないし、若々しく眩しくて、反抗的でロックだ。それでいて、度重なる別れや前作をインスパイアしたライム病の闘病生活など、彼女が乗り越えてきた苦難が、20年前と変わらぬ瑞々しさを放つ彼女の歌声に深みと更なる強さを与えてもいる。つまり、今の彼女はアーティストとして最高の状態にあるのだ。最高のライブになること必至である。
「『ラヴ・サックス』からの曲も昔の曲もプレイして、楽しいショウにするつもり。私のバンドとまた一緒にショウをやれることにワクワクしてる」と、前号の取材時に笑顔を見せてくれたアヴリル。若さを維持する秘訣は自分の音楽だとも言っていたが、ギターが炸裂するエネルギー全開のパフォーマンスで、観客側の若さも引き出してくれるに違いない。
「(日本語で)みんな、サイコー! ツアーでファンの皆に会うのを楽しみにしているね」。 (鈴木美穂)
アヴリル・ラヴィーンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。