このタイトルはちょっと衝撃だった。デビュー以来3作連続ミリオン達成を果たした『ベスト・ダム・シング』から約4年、アヴリル4作目の新作『グッバイ・ララバイ』の先行シングルのタイトルは、ずばり“ワット・ザ・ヘル”（どうでもいい）。前作の大ヒット曲“ガールフレンド”の「Hey Hey you you」を超えるくらいキャッチーでアップビートなコーラスで、「これまでずっといい子でいたけど、もう気にしない！」と歌う彼女の声はこれまで以上に弾んで聴こえる。アルバムのタイトルには慣れ親しんだものに別れを告げて前に進むという意味が込められているそうで、現時点ではこの曲しか聴けていないのだが、“ワット・ザ・ヘル”のモードは新作全体を象徴しているように思える。そしてこれは、SUM41のデリックと離婚後の第一声となる曲でもあるのだ。同じく3月にリリースされるSUM41の新作の先行シングルが「金切り声を上げる」と題したヘヴィな曲であることを考えずにはいられない。お互いに、自分に求められているものも理解しながら正直でパーソナルな作品を作ったところは同じなわけで、その結果の対比が興味深い。（網田有紀子）