ノエル・ギャラガーのソロ最新作『カウンシル・スカイズ』が6月2日、ついに世界同時リリースされる! このアナウンスと同時に先行シングル第2弾“イージー・ナウ”も配信リリースされた。ノエルの最近の予告どおり、本人のシグネチャーサウンド「煌くメロディ」を目いっぱい活かした名チューンになっていて、フルアルバムの内容に今からわくわくさせられる。
昨年秋にリリースされた“プリティー・ボーイ”といい、今回の“イージー・ナウ”といい、ノエルの新作が近年の「ダンス路線」とは明らかに違う視点から創られたものであることは確かだ。前作『フー・ビルト・ザ・ムーン?』から実に約5年半。新曲の噂は数年前からあったので、今作に至るまでに本人としてもかなりの試行錯誤があったと思われる。
通算4作目にあたる今作のコンセプトは、なんとノエルの故郷であり、“オアシスの出発点”でもある「マンチェスター」へのオマージュ。アルバムのジャケ写もマンチェスター・シティの旧スタジアムである「メイン・ロード・スタジアムの跡地にバンドの機材を置いた」象徴的なショット。新作に付くブックレットにも「かつてノエルが故郷から大志を抱きロンドンへ旅立った場所=マンチェスター・ピカデリー駅」の写真が掲載されるらしい。
延いていえば、今作のタイトルも本人と弟リアムがかつて貧困や暴力が日常茶飯事の生活の中で「オアシスへの夢」を抱いていた場所=マンチェのカウンシルハウス(英国の低所得層のための公営住宅)への伏線になっている。しかも今作にはマンチェ出身の旧友ジョニー・マーがギターで3曲参加。デラックス版のボーナスディスクにはザ・キュアーのロバート・スミスやペット・ショップ・ボーイズによるリミックス、そして“リヴ・フォーエヴァー”(!)のラジオセッションなど多数の貴重音源も収録。
2011年にソロに転向して以来「オアシスから脱するための音楽」をひたすら追求してきたノエルだが、ここに来てついに「稀代のソングライターとしての本来の自分」と向き合う心の準備ができたようだ。新作をフルで聴くのが待ちきれない。 (児島由紀子)
ノエル・ギャラガーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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