現在発売中のロッキング・オン10月号では、フジロックフェスティバル'23のライブレポートを掲載しています。本原稿の一部をご紹介。
●DAY 1
フィーバー333、アイドルズの漢気が苗場に着火! そして、ザ・ストロークス、ヤー・ヤー・ヤーズら黄金の00年代ニューヨークシーンが今再び文=粉川しの
今年のフジロックの大きなテーマの一つが、「いつもの苗場」を取り戻すことだったことを、真っ先に確信させてくれたのがフィーバー333だった。容赦無く照りつける日差しを空に向かって跳ね返すような強力なビートに、一気に眠たい身体が覚醒する。ボーカル以外のメンバーが総入れ替えになったせいか、かつての変態的ミクスチャーパンクから一転、ド直球のヘヴィロックを掻き鳴らすバンドに変貌を遂げていて驚いたが、結果的にポストコロナの夏フェスの高揚感に相応しいメインステージのトップバッターになったと思う。ブラー“ソング2”のカバーも最高! まさかサマソニより先に《Woo-hoo!》することになるとは思わなかったけれど。(以下、本誌記事へ続く)
●DAY 2
「フォー・フジ!!」。テイラー・ホーキンスの死を乗り越えデイヴ・グロールのシャウトが苗場にこだまする! 至福の共演も各所で光ったステージの数々文=高見展
2日目の最初の見どころはまずレッドマーキーのデイヴィッド。ニューヨーク出身だがテキサスのヒューストン育ちで、容姿はアフリカ系黒人らしくはあるものの、その鳴らす音の最も痛快で魅力的なところは、ポストパンク系のインディロックとして響くところだ。冒頭から“ユー・アンド・アイ”“Bleed Out”などのロックナンバーでたたみかけていくが、中盤はロックバラードも見事に聴かせR&B風のバラードも文句のつけようのない出来。しかし、自分の心情はインディロックでしか表現しえないという必然性がこの音とライブからよく伝わってくるところが素晴らしかった。イギリス育ちのブラッド・オレンジの逆コースのようで強烈だったし、必見のパフォーマンスだった。(以下、本誌記事へ続く)
●DAY 3
大トリを華々しく飾ったリゾ。100ゲックス、ブラック・ミディらエクストリーム勢のパフォーマンスにも衝撃文=粉川しの
私のフジロック最終日はレッドマーキーから始まった。今年のフジは若手のUKギターバンドが殆どエントリーしておらず、貴重な一組がこのヤード・アクトだ。ポストパンクに念仏ボーカルを乗せるスタイルからして、早くもクッキリUKの刻印が刻まれていて嬉しくなってしまう。ディスコをやるとどうしようもなく滲むペーソス(まるでパルプだ!)といい、階級社会に生きる若者のリアルが滲むラディカルな歌詞(“Rich”他)の数々といい、そして自虐なしには発散できない北部(リーズ)人のルサンチマンといい、どこを切っても紛うことなき我らが愛するUKギターロック! 当たり前に差し込まれる2トーンやブラーからの明らかな影響も含め、久しぶりに懐かしい友達と再会した気分になる1時間だった。(以下、本誌記事へ続く)
フジロックフェスティバル'23の特集記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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