【今月の気になるあいつ】マリスK
NYブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター/ ビジュアルアーティストのアレックス・コンシュー率いるプロジェクト。2020年から音楽シーンを騒がせ始め、デビューアルバム『アヴァンティ』からのファーストシングル"Radio"リリース後、2024年の初頭にはNMEの表紙を飾る。挑発的なパンクから叙情的なアコースティックサウンドまで、革新と内省が高度にミックスされたサウンドが世界を席巻中。この取材が日本での初インタビューとなる。現在発売中のロッキング・オン9月号では、「気になるあいつ」にてマリスKを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
●音楽を始めたきっかけは?
「兄がエレクトリックギターをやってて、誕生日におじいちゃんにドラムキットを買ってもらってさ。兄と叔父と3人でベッドルームでセッションみたいなことをやってたよ。あと家にピアノがあったから、いじって遊んだりとか……そこからギターにも興味を持ち出してYouTubeで独学で学んだりしつつ、ギター少年のまま現在に至るという」
●ワシントン州オリンピアで育ち、その後LAに拠点を移し、今はNYブルックリンが拠点とのこと。それぞれの街の変化は、あなたにどのような音楽観を与えましたか?
「昔から宅録みたいな形で曲はずっと作ってた……完全に個人的な趣味として秘密裡に。人前で演奏するようになったのはLAに行ってからで……気がついたらマリスKっていうオルターエゴが誕生してた(笑)。音楽自体は子供の頃から好きだったし、自分でも作ってみたいっていう欲求と……それと普通に色んな人のファンだったんだ。ファンとしての視点と、逆にファンになられる側の視点を入れ替えたらどうなんだろう?って興味が湧いたわけさ」
●LAに出たのはミュージシャンを志してのこと?
「自分でも何かしら行動を起こさなきゃって思ったんだろうね、そのときは……誰にも言わず自分ひとりで音楽だのアートだの作ってるだけじゃなくて、自分の気持ちに正直になってみよう的な。ミュージシャンってものに自分がなってみて、聴いてくれる人がいるという感覚がどういうものなのか実際に自分でも味わってみようと……LAに行ったからとて、うまくいく保証なんてなかったにせよ。でまあ、幸いにも自分の作ってる作品に反応してくれる人達と出会えて、その関係性を維持しようとしながら現在に至るわけさ」
●アーティスト集団DeathProof Inc.でも活動されていたかと思います。マリスKとはまた違った、よりハードコア/パンクな音楽性ですが、どのような集団なのでしょう?
「最初に観たときメッチャ懐かしいと思ってさ! 子供の頃に観てた地元のパンクロックシーンと同じ精神性を感じたんだよね。基本ガレージロックなんだけど、現代的な捻りがあってさ。DIYで、機材なんかにしてもそうだし、ライブ会場も普通の人の家だったりとかして。そこから、それまでは人知れず部屋でひとりで音楽作ってたのが一気に他人から注目を浴びるようになり……いや、最高に素晴らしい時期だったよ!」
(以下、本誌記事へ続く)
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