わずか27歳で幕を閉じたエイミー・ワインハウスの波乱の人生――デビュー作『フランク』リリース後の貴重インタビューと映画『Back to Black エイミーのすべて』のレビューから、その裏に秘められた素顔をひもとく

わずか27歳で幕を閉じたエイミー・ワインハウスの波乱の人生――デビュー作『フランク』リリース後の貴重インタビューと映画『Back to Black エイミーのすべて』のレビューから、その裏に秘められた素顔をひもとく

現在発売中のロッキング・オン2月号では、エイミー・ワインハウスのインタビュー&映画『Back to Black エイミーのすべて』のレビューを掲載!

以下、本インタビューの冒頭部分より。



「結局、私には音楽しかない。私の人生で『誰も私に触れさせない』と宣言できる、たった一つのエリア。だって本当に、誰も触れられない場所なんだから!」


カムデンにあるとあるタパスバーで、エイミー・ワインハウスは、パタタスブラバス(ポテトフライに辛いトマトソースをかけたスペイン風のつまみ)とサングリアを交互に口いっぱいにほおばりながら、浮気の効用を説いている。ここのバーは最近、彼女が20回目の誕生日を祝った場所でもあり、スタッフもみな顔見知りだ。スタッフと言葉を交わす時の口調は甘くささやくようなコックニーで、アフリカ系アメリカ人のジャズを思わせる、ハスキーな歌声とはまるで別物だ。エイミーもまた、多くのスターと同様に、とても存在感のある顔に比べて、体はとても小さく見える。突き出た口に大きな目が印象的な顔には、10代のころのニキビの跡が少し残っている。服装は、この日の晩にロンドンのオックスフォード通りにあるヴァージン・メガストアで行われたインストアライブの時に着ていた、タイトな白黒のミニドレスのままだ。そしてトイレに向かう時には、ジェシカ・ラビット(映画『ロジャー・ラビット』のセクシーなヒロイン)ばりに、腰を振りながら歩く。これには店にいるすべての男性が振り返り、横目でその姿を追った。だが彼女自身は、自分の行動がこのようなリアクションを起こすことに無頓着な様子だ。

 デビューアルバム『フランク』はジャズ、ソウル、ヒップホップがミックスされた、あまりに早熟な彼女の才気がほとばしる、傑作アルバムだ。その中の“アイ・ハード・ラヴ・イズ・ブラインド”という楽曲で、エイミーはボーイフレンド以外の男と寝たことを正当化している。さらに、相手の外見が似ていた《背丈が似ていただけじゃなくて……いや、何とも言えない/暗かったし、私は横になっていたから》ことを引き合いに出して、むしろ光栄に思うべきだとボーイフレンドに告げる。さらには、《何を期待してたの? 私をここに独りにしておいて》と彼をなじるのだった。

 曲の中でも対面でも、こちらがつい気を許したくなるほど正直なエイミーは、これまでに発表してきた楽曲は、ほぼすべて、特定の元交際相手について書いたものだと認めている。これらの楽曲で、彼女は2004年のブリットアワードにノミネートされ(最優秀女性アーティストと最優秀アーバンアクトの2部門)、今年を代表するスターになるのは確実視されている。

 今は特に真剣に交際している相手はいないと言う彼女に、私は明白な問題点を指摘した——仮にあなたを今、デートに誘おうとした人の脳裏には、2つの疑問がよぎるはずです。1つは「次のアルバムで自分をディスる曲を書くつもりじゃないのか?」、そしてもう1つは「通りすがりのジャーナリストに、楽曲でも触れていない、自分に関する立ち入った話をバラすんじゃないか?」ということです。もう少し慎重になるべきではないですか?

「まあね。私はあけっぴろげだから。中には、私が嫉妬に狂うヤバいやつだと思っている男も確かにいる。でも、そんなのおかしいよね。私によくしてくれたら、悪いことなんて一つも書かないんだから。真実以外のことを口にするなんて意味がない。だって、結局のところ、人の質問に答える義理なんてない。元彼だとしても、それから……『神様』とは言わない方がいいんだよね……あとは、レコード会社のスーツを着た人にも。私が答えなくちゃいけない相手は自分だけ」

(以下、本誌記事へ続く)



エイミー・ワインハウスの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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