KTタンストールのライヴはいつもすごい


震災後の日程を振り替えて行なわれた今回の公演、しかし、あれだけの人が集まったというのが彼女のライヴの素晴らしさを物語っている。

板の上に乗った5人だけで、どうやって豊穣な音楽性を再現するか、特にフロントマンであるKTは常に意識的で、とんでもない音を鳴らす。

音としては、おそらく日本のライヴなんかと較べると非常に小さいのだけど、バンドの持つダイナミズムは手に取るように伝わってくる音、得意のループ・ディレイを使ったプレイもすごかったが、なにより「ミュージシャン」であることに一切の言い訳やギミックがない音が最高の音質で鳴る。ライヴの魅力を知っている人はきっとそれだけのことがいかに気持ちいいか、分かってもらえるのではないか。

今回ギターをつとめたのは、元Ashのシャルロット・ハザウェイ、彼女も元気そうだった。なによりそのステージ上の繊細なバランスに気を遣っていた。

夏フェスでいっぱいいいライヴ観たけど、夏フェス後の一発目にこれが観られる幸福、それもまたすごい。(古川)
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