だだ彼らの場合、一般的なメンバー・チェンジとは少し違う。新しいメンバーは前のメンバーの意志を引き継ぎ魂を継承していくのだ。
1972年に作られた「危機」の完全再現ライブである。しかし「危機」のレコーディングに参加したのは、現在のメンバーではスティーブ・ハウだけ。アラン・ホワイトも参加していない。でも2022年の解釈で演奏される「危機」ではなく、あくまでもオリジナルの「危機」の再現が見事に行われた。ではそれは現在のメンバーの個性を抑圧したコピーなのか?違う。何故なら、現在のメンバーはイエスというバンドの名前と意志を継承することを引き受けた者たちだからだ。イエスというバンドの偉大さを強く感じたライブだった。
スティーブ・ハウが元気で良かった。会場のかなりを占めていた親父たちは、そのことを喜び、元気をもらって帰ったはずだ。