イエス「危機」再現ライブを見た。ロック・バンドが名前を守って、魂を継承していくことのお手本といえるステージだった。ネタバレなしなので、安心してお読みください。

イエス「危機」再現ライブを見た。ロック・バンドが名前を守って、魂を継承していくことのお手本といえるステージだった。ネタバレなしなので、安心してお読みください。
5月にアラン・ホワイトが亡くなり、このツアーは彼に捧げられている。ライブの冒頭に彼の写真が映し出され、「世紀の曲がり角」が流される。たくさんのメンバー・チェンジのあったバンドだ。アラン・ホワイトは在籍50年だったが、その彼でさえ途中参加である。
だだ彼らの場合、一般的なメンバー・チェンジとは少し違う。新しいメンバーは前のメンバーの意志を引き継ぎ魂を継承していくのだ。
1972年に作られた「危機」の完全再現ライブである。しかし「危機」のレコーディングに参加したのは、現在のメンバーではスティーブ・ハウだけ。アラン・ホワイトも参加していない。でも2022年の解釈で演奏される「危機」ではなく、あくまでもオリジナルの「危機」の再現が見事に行われた。ではそれは現在のメンバーの個性を抑圧したコピーなのか?違う。何故なら、現在のメンバーはイエスというバンドの名前と意志を継承することを引き受けた者たちだからだ。イエスというバンドの偉大さを強く感じたライブだった。
スティーブ・ハウが元気で良かった。会場のかなりを占めていた親父たちは、そのことを喜び、元気をもらって帰ったはずだ。
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