上は、今年6月30日にSIGHTから刊行した「読むのが怖い! Z」。
SIGHTにて10年以上続く長寿連載、書評対談「読むのが怖い!」の、
4年ぶり・3冊目の単行本です。
北上次郎と大森望。いわゆるエンタメ本の世界においては
知らぬ者のいない書評界のトップ2が、毎回、
「北上選」「大森選」「編集部選」のおすすめ本、
計9冊を読み、論評し合う、という企画です。
書評のページも、こういう対談も、他の雑誌にも、ないことは
ないでしょうが、この「読むのが怖い!」の何が特異かというと、
というか何がとびぬけているかというと、
「ここで取り上げられている本を一切読まなくてもおもしろい」
ということです。
って、はたしてそれ、いいことなのか?
という気がしないでもないですが、つまり、「読み物を論評する」を
超えて、「これ自体がおもしろい読み物である」本なわけです。
この「読むのが怖い!」、私の担当ページで、毎回、対談にも
立ち会っているのですが、スケジュール調整とかの雑務や、
テキストの構成以外は、基本的に、なんにもやっていません。
おふたりのお話をきいて、大笑いしたり、「なるほどー!」と
唸ったり、「ああっそうか!」と驚いたりしているだけです。
ということに、担当になって数回目で気づいて、それまで
自分のクレジットが「司会=兵庫慎司」ってなっていたのを、
「構成=兵庫慎司」に変えました。
で、おふたりの発言を少しでも多く入れたかったので、それまでは
ちょっと入っていた自分の発言を全部削って、存在を消しました。
さらにおもしろくなりました。
ただ、「読まなくてもおもしろい」だけではなく、「ミレニアム」
などは、映画になる何年も前、日本版の単行本が出た瞬間に
取り上げて絶賛していたり、という、目利きの速さもあります。
このおふたりなんだから当然ですが。
「読むのが怖い! Z」、詳しくはこちら。
http://ro69.jp/product/book/detail/69587
そしてSIGHT最新号、詳しくはこちら。
http://ro69.jp/product/magazine/detail/73308
(兵庫慎司)