SIGHT制作だより:自民党政権は本当に「支持」されているのか
2013.03.15 12:15
昨年末の発足以来、高い支持率を誇っている安倍政権だが、
本当に今の自民党政権は「支持」されているのか。
議席数が大幅に増えることになった選挙結果に対し、
得票数は減った自民党の勝利をどう考えるべきなのか。
次号3月30日発売のSIGHTの特集のために、
東京大学 先端科学研究センターの菅原琢さんに取材をさせていただいた。
『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか』という著書もある通り、
計量政治――世論や投票傾向分析の専門家である菅原さんだが、
メディアで報じられることの多い、
自民党政権→民主党政権→自民党政権という揺り戻しであるという
図式からは見えてこない有権者の行動を、
数字の分析とともに語っていただいた。
お話をうかがって改めて分かったのは、
けして昨年末の選挙結果は、雪崩を打って
自民党を支持するものではなかったこと、
有権者は非常に注意深く見ながら投票先を探していることだ。
具体的に言えば、前回の総選挙で
民主党に入れた人は自民党に逆戻りしていない。
2009年の政権交代も、3.11の東日本大震災も
経験した日本の有権者は、
後戻りすることなく、次の選択肢を探している。
次号のSIGHTでは、今あまり語られることの少ない
こうしたリアルに焦点を当てていく。(古川琢也)