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    ツェッペリン追記

    ツェッペリン追記
    ビートルズの特集、ローリング・ストーンズの特集、デヴィッド・ボウイの特集、レッド・ツェッペリンの特集──音楽誌編集者にとってはそれぞれ作るモチベーションや楽しさがぜんぜん違う。

    ビートルズは、事実関係や当時の状況の真実をもっと知りたい、という気持ちで作ることが多い。
    ストーンズの場合は、いろんな人がいろんなストーンズ観を語るのを読みたいし、キースやミックですら「ストーンズをどう語るか」という部分が興味の対象だったりする。
    ボウイの場合は、アートとロックの融合を見事に体現したその美しさをいろんな角度から愛でたい、という気持ちで作る。
     
    ではツェッペリン特集を作るときの欲望とモチベーションとはなにかといえば、それは「音」だ。
     
    ツェッペリンの、あのなぜか色褪せることのない音を頭の中で鳴らしながら、
    「この音の本質を少しでも言語化する方法はないか」
    「この音が生まれた背景を語った歴史的文献はどこかにないか」
    「この音の秘密をジミー・ペイジはどこかで語っていないか」という思いを巡らせながら作るのである。
    それぐらい、ツェッペリンの音はロックの神秘そのものなのだ。
    (山崎洋一郎)
    山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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