絵に描いたような近未来のロック・コンサートの光景。
巨大なLEDスクリーン、レーザーの洪水、ハイファイな音響、見たこともない黒いファイバー製のマイクスタンド、グラデーションで発光するギターなどなど。
なんでみんな使わないのかなぁ? ぐらいのわんぱくさで、ベタ新しい機材が目白押しだ。
ミューズは、いやマシューはなりふり構わず一直線だ。
思わず大笑いした。
ミューズはヨーロッパだ。
イギリスのバンドだが、ヨーロッパのバンドみたいだ。
ドイツとかフランスとかイタリアみたいだ。
イギリスみたいな袋小路に陥っていないし、アメリカみたいな分裂症とも違うし、なんかとりあえず細かい問題はあるけどユーロ強いし明日は来るみたいな、しれっとした強かさがある。
だから、今のロック・バンドの中で唯一、無邪気に未来を向いている。
まさに無邪気。
だった、今日のライブも。
一人高度成長期か(笑)ぐらいに。
彼らは、マシューはデビューからずっとそうだった。
それがミューズの良さ。
テロも温暖化もリーマンショックも関係ないロック。
ただのロック。
そこもクイーンみたいだ。